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【ジャズ名盤】ポール・デスモンド『ファースト・プレイス・アゲイン』徹底解説|ジム・ホールとの珠玉の共演&美しいアルト・サックスの世界

ファースト・プレイス・アゲイン ポール・デスモンド 趣味を通して感じる癒し

【至高のジャズ名盤】ポール・デスモンド『ファースト・プレイス・アゲイン』|ジム・ホールとの極上アンサンブルを味わう

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

ジャズの歴史と『ファースト・プレイス・アゲイン』の位置づけ

1950年代のジャズ|モダン・ジャズの黄金時代

1950年代はジャズの発展が最も活発だった時代。ビバップの革新が落ち着き、クール・ジャズやハード・バップがジャズシーンを席巻していました。西海岸を中心に広まったクール・ジャズは、ビバップよりも洗練されたサウンドを特徴とし、ポール・デスモンドはその代表的なアーティストの一人です。

1959年は、ジャズ史において特に重要な年。マイルス・デイヴィス『カインド・オブ・ブルー』、ジョン・コルトレーン『ジャイアント・ステップス』、デイヴ・ブルーベック『タイム・アウト』など、今なお語り継がれる名盤が生まれました。

この時期に録音されたポール・デスモンドの『ファースト・プレイス・アゲイン』は、彼がデイヴ・ブルーベック・カルテットの一員として大成功を収めた直後に制作された作品であり、彼のリーダー作としての魅力が凝縮された一枚となっています。

ポール・デスモンドとは?|アルト・サックスの詩人

ポール・デスモンド(Paul Desmond, 1924-1977)は、アルト・サックスの名手として知られ、デイヴ・ブルーベック・カルテットの一員として世界的な成功を収めました。彼のプレイは、通常のアルト・サックス奏者とは一線を画し、まるでシルクのように滑らかで洗練された音色が特徴です。

彼の代表作の一つである「テイク・ファイブ」は、1959年のアルバム『タイム・アウト』に収録され、今なおジャズの象徴的な楽曲として愛されています。そんな彼が、自身の音楽性を存分に発揮したリーダー作が『ファースト・プレイス・アゲイン』なのです。

『ファースト・プレイス・アゲイン』の魅力|ジム・ホールとの名コンビ

ファースト・プレイス・アゲイン ポール・デスモンド

本作は、ポール・デスモンドのアルト・サックスとジム・ホールのギターが織りなす、静謐で美しいアンサンブルが最大の魅力です。リズムセクションには、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のパーシー・ヒース(ベース)とコニー・ケイ(ドラム)が参加し、洗練されたサウンドを支えています。

  • ポール・デスモンド(アルト・サックス):彼の持ち味である流麗なフレージングと、繊細な表現力が全編にわたって光る。
  • ジム・ホール(ギター):クールなコードワークと温かみのある音色がデスモンドのサウンドと完璧にマッチ。
  • パーシー・ヒース(ベース):MJQの一員として培った洗練されたベースラインが、楽曲のグルーヴを支える。
  • コニー・ケイ(ドラム):派手さを抑えた柔らかいブラシワークで、全体のムードを整える。

ジム・ホールのギターとのデュオ的な絡みが随所に見られ、リスナーに心地よい癒しを提供してくれる作品です。

収録曲と聴きどころ

君にこそ心ときめく(I Get a Kick Out of You)

コール・ポーターの名曲を、デスモンドらしい繊細なタッチでカバー。オリジナルの軽快な雰囲気とは異なり、エレガントなクール・ジャズに仕上がっている。

フォー・オール・ウィ・ノウ(For All We Know)

バラードの名曲。デスモンドの柔らかな音色とホールの控えめなコードワークが、静かで心温まる雰囲気を作り出している。

二度東、三度西(Two Degrees East, Three Degrees West)

リズミカルな楽曲で、ジム・ホールとの掛け合いが楽しい。メロディの展開が心地よく、まさにデスモンドらしいクールな演奏が聴ける。

グリーンスリーヴス(Greensleeves)

イギリスの伝統的な楽曲をジャズ・アレンジで演奏。クラシカルな雰囲気が漂い、デスモンドのサックスが持つリリカルな魅力が存分に発揮されている。

ユー・ゴー・トゥー・マイ・ヘッド(You Go to My Head)

スローテンポで美しいバラード。デスモンドの歌うようなサックスのフレーズが心に沁みる。

イースト・オブ・ザ・サン(East of the Sun)

アップテンポなスウィングナンバー。ジム・ホールのギターソロが際立ち、デスモンドとの掛け合いが見事。

タイム・アフター・タイム(Time After Time)

アルバムのラストを飾るにふさわしい、美しいバラード。洗練されたアレンジと、メロディアスなプレイが心に残る。

『ファースト・プレイス・アゲイン』が愛される理由

  1. クール・ジャズの代表的作品:デスモンドの流麗なサウンドと、ホールのギターが生み出す優雅な空間。
  2. リラックスできる癒しのジャズ:派手な演奏ではなく、静かに語りかけるような音楽。
  3. 豪華なメンバーによる確かな演奏:MJQのリズム隊が安定感を提供し、デスモンドとホールが自由に表現できる場を作り出している。

本作は、ジャズ初心者にも聴きやすく、また深く聴き込むことでその奥深さを味わえる名盤です。

まとめ|ジャズの魅力が詰まった癒しの一枚

『ファースト・プレイス・アゲイン』は、ポール・デスモンドとジム・ホールの繊細なアンサンブルが堪能できる、ジャズ史に残る名盤です。癒しの時間を求めるすべてのリスナーにおすすめの一枚。ぜひ、ゆったりとした時間の中でじっくりと楽しんでください。

下記URLはYouTubeにPAUL DESMOND-I Get a Kick Out of Youが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=03_GtIkX4e8&list=PLvxWibFr0wiJVAYXm6rd12X5YGHJ4sHvT

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

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