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ソニー・スティット『ソニー・スティット(+1)』レビュー|ビバップの伝統と癒しを兼ね備えた名盤を徹底解説

ソニー・スティット 趣味を通して感じる癒し

ソニー・スティット『ソニー・スティット(+1)』徹底レビュー:サックスの名手が奏でるモダンジャズの真髄

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

【モダンジャズの神髄を体感】ソニー・スティット『ソニー・スティット(+1)』レビュー|ジャズの本質に迫る名盤解説

ソニー・スティット『ソニー・スティット(+1)』:癒しとスリルを兼ね備えたジャズの真髄

ソニー・スティットは、ビバップを代表するサックス奏者の一人であり、「チャーリー・パーカーの後継者」とも称された偉大なミュージシャンです。その演奏スタイルは、洗練されたテクニックとソウルフルな表現が融合したもので、ビバップからハードバップの発展を担った存在として知られています。

1958年にシカゴで録音されたアルバム『ソニー・スティット(+1)』は、スティットのアルトサックスとテナーサックスを堪能できるワンホーン・カルテット作品です。バリー・ハリスら優れたリズムセクションがサポートし、スタンダード曲やオリジナル曲でスティットの多彩なプレイが楽しめるこの作品は、モダンジャズの魅力を凝縮した一枚と言えるでしょう。

本記事では、アルバムの背景、時代性、収録曲、参加アーティストの詳細、そして本作の癒しの魅力について解説します。ジャズ初心者からコアなファンまで、幅広い層に向けて本作の魅力を徹底的に紹介します。

【アルバム『ソニー・スティット(+1)』の概要】

ソニー・スティット

基本情報
アルバム名:ソニー・スティット(+1)
録音年:1958年
録音場所:シカゴ

パーソネル:
ソニー・スティット (アルトサックス、テナーサックス)
バリー・ハリス (ピアノ)
ウィリアム・オースティン (ベース)
フランク・ガント (ドラムス)

収録曲リスト:
1.プロパパグーン
2.ジス・イズ・オールウェイズ
3.ジャック・スプラット
4.ジャスト・ユー、ジャスト・ミー
5.クール・ブルース
6.ミスター・サン
7.ダンシング・オン・ザ・シーリング
8.エヴリワン・ダズ
9.ティル・ジ・エンド・オブ・タイム (ボーナストラック)

本作は、オリジナルLPに未収録だった「ティル・ジ・エンド・オブ・タイム」を加えた再発盤としてリリースされ、24ビットリマスターのクリアな音質で楽しめる一枚です。

【ジャズの黄金期:アルバム録音当時の時代背景】

1950年代後半のモダンジャズ

1950年代後半は、ビバップの流れを汲むハードバップがジャズ界の主流となり、多くの名盤が生まれた時代です。ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスといった都市がジャズの中心地として栄え、ジャズミュージシャンたちはそれぞれの拠点で活発に活動していました。

この時代の特徴は、モダンジャズの技術が完成度を増しつつも、スウィング感やブルース要素を強調したスタイルが人気を博していたことです。特に、スティットのようなサックス奏者は、チャーリー・パーカーの影響を受けつつも、自らの個性を確立することで新たな地平を切り開いていきました。

【ソニー・スティットと参加アーティスト】

ソニー・スティット (アルト&テナーサックス)

ソニー・スティットは、卓越したテクニックと流麗なフレージングで知られるサックス奏者です。アルトサックスとテナーサックスの両方を自在に操り、ジャンルを超えた多彩なスタイルを確立しました。彼の演奏は、チャーリー・パーカーに似たビバップの語法を持ちながらも、独自のソウルフルな表現が特徴です。

バリー・ハリス (ピアノ)

バリー・ハリスは、ビバップとハードバップを代表するピアニストであり、ジャズ教育者としても名を馳せました。その演奏は、ブルースの要素と知的なコード進行が絶妙に融合しており、本作でもスティットのプレイを支える重要な役割を果たしています。

ウィリアム・オースティン (ベース)&フランク・ガント (ドラム)

オースティンとガントは、ジャズのリズムセクションを支える堅実なプレイヤーとして知られています。本作では、スウィング感溢れる演奏でスティットとハリスをサポートし、バンド全体のまとまりを生み出しています。

【収録曲詳細レビュー】

1. プロパパグーン
アルバム冒頭を飾るアップテンポなナンバー。スティットのエネルギッシュなサックスプレイが光ります。ハリスのピアノソロも軽快で、全体のスウィング感が心地よい一曲。

2. ジス・イズ・オールウェイズ
バラードナンバーで、スティットの抒情的な一面を堪能できます。彼のサックスが持つ温かみと感情表現がリスナーを癒します。

3. ジャック・スプラット
軽快でユーモラスな楽曲。スティットのサックスが語るようなフレーズを奏で、リズムセクションとのやり取りも楽しめます。

4. ジャスト・ユー、ジャスト・ミー
ジャズのスタンダード曲で、スティットのソロが楽曲全体を引き締めています。ハリスのサポートも完璧で、スリリングなやり取りが聴きどころです。

5. クール・ブルース
チャーリー・パーカーの演奏で有名な楽曲。スティットは、パーカーを彷彿とさせるフレーズを織り交ぜながらも、独自の解釈を加えています。熱量溢れる演奏が展開される必聴のトラックです。

6. ミスター・サン
軽やかなリズムが印象的な楽曲。スティットの柔軟なフレージングが際立ち、バンド全体のアンサンブルも見事です。

7. ダンシング・オン・ザ・シーリング
高速なテンポで進行する一曲。スティットのスピード感溢れるプレイが圧巻で、聴く者を引き込むエネルギーに満ちています。

8. エヴリワン・ダズ
グルーヴ感溢れるナンバー。スティットの豊かな表現力と、リズムセクションのタイトな演奏が魅力です。

9. ティル・ジ・エンド・オブ・タイム (ボーナストラック)
アルバム未収録だったバラード。感傷的なメロディが心に響き、スティットのサックスが優しく語りかけてくるような一曲です。

【アルバムの癒しと魅力】

『ソニー・スティット(+1)』は、ソニー・スティットの多彩なサックスプレイとバリー・ハリス率いるリズムセクションの絶妙なコンビネーションを楽しめる名盤です。特に、スティットの抒情的なバラード演奏やスリリングなアドリブは、聴く者の心を癒し、同時に活力を与えてくれます。

モダンジャズのエッセンスが詰まった本作は、ジャズ初心者から上級者まで幅広くおすすめできる一枚。日々のストレスから解放される癒しのひとときを、ソニー・スティットの音楽とともに過ごしてみてはいかがでしょうか。

下記URLはYouTubeにust You, Just Meが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=cG-9PI5c0JI

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・