Art Pepper『Art Is The Art Vol.2』:ウエストコースト・ジャズの巨匠が奏でる癒しと情熱
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
ジャズの時代背景
1940年代から50年代にかけて、ジャズはスウィングからビバップ、さらにはクールジャズやウエストコースト・ジャズといった多様なスタイルへと進化しました。
この時代、アメリカ西海岸では都会的で洗練されたサウンドが特徴の「ウエストコースト・ジャズ」が人気を博しました。このスタイルは、都会の余裕やリズムの軽快さ、そしてメロディアスな演奏が特徴で、多くのジャズファンに愛されました。
アート・ペッパーは、ウエストコースト・ジャズを代表するアルトサックス奏者であり、そのクールなトーンと情熱的な演奏スタイルで幅広いリスナーから支持を集めました。
ペッパーの音楽は、美しいメロディと即興演奏が調和したものです。彼は時代を超えて愛されるアーティストであり、その才能はジャズ史において重要な地位を築いています。
アーティスト紹介:アート・ペッパー
アート・ペッパー(1925年–1982年)は、カリフォルニア出身のアルトサックス奏者であり、ウエストコースト・ジャズの象徴的存在です。彼の演奏は、一貫してクールな音色と感情豊かな表現力が特徴です。ペッパーは1940年代から活動を開始し、スタン・ケントン楽団などで名を馳せました。
しかし、彼の人生は波乱に満ちており、麻薬や刑務所生活によるキャリアの中断も経験しました。それでも音楽への情熱を失わず、1970年代には復活を遂げ、多くの名作を残しています。本作『Art Is The Art Vol.2』は、彼の音楽的才能とジャズへの愛を凝縮した作品のひとつです。
アルバム『Art Is The Art Vol.2』の魅力
概要
本作『Art Is The Art Vol.2』は、1975年に制作され、もともとはオープンリールでリリースされた非常に珍しいアルバムです。ウエストコースト・ジャズの魅力を存分に感じられる名盤で、聴く人に癒しと刺激をもたらします。収録曲は、美しいメロディとスリリングな即興演奏が調和した珠玉の楽曲ばかりです。
トラックリスト詳細
Side-1
The Breeze And I (3:34)
ラテンのリズムが心地よい本曲では、アート・ペッパーのアルトサックスが涼やかな風のように響きます。軽快なテンポと鮮やかなアドリブが特徴です。
Without A Song (7:39)
本作の中でも特に印象的な長尺の一曲。ペッパーの情熱的な演奏と、リズムセクションとのインタープレイが光ります。
Long Ago And Far Away (4:10)
クラシックなスタンダード曲を、洗練されたアレンジで披露。控えめながらも心に残る演奏です。
Fascinatin’ Rhythm (4:25)
ジョージ・ガーシュウィンの名曲をベースに、ペッパーが自由奔放に演奏。軽快なリズムが耳に心地よい。
Side-2
I Can’t Believe That You’re In Love With Me (5:41)
ロマンチックなメロディが印象的なスタンダードナンバー。ペッパーの情感豊かなサックスが楽曲を引き立てます。
Webb City (4:36)
スリリングなテンポとリズミカルな演奏が特徴の一曲。ペッパーの技巧が冴え渡ります。
Begin The Beguine (6:20)
ジャズとラテンが融合したような独特のサウンド。長尺の演奏を通して、メンバー全員の力量が存分に発揮されています。
メンバーの演奏にも注目
本作では、アート・ペッパーのアルトサックスを支える豪華なメンバーが揃っています。
Carl Perkins (ピアノ): 温かみのあるタッチで、ペッパーの演奏を優しく包み込む。
Ben Tucker (ベース): 正確でリズミカルなラインが特徴的。演奏全体を支える重要な役割を果たしています。
Chuck Flores (ドラム): ダイナミックかつ繊細なドラミングで、楽曲に彩りを加えます。
まとめ
『Art Is The Art Vol.2』は、ウエストコースト・ジャズの精髄とも言える作品です。アート・ペッパーの音楽を通じて、ジャズの癒しと情熱に触れるひとときをお楽しみください。このアルバムを聴くことで、ペッパーの天才的な演奏と、彼が生きた時代の音楽の豊かさを再発見できることでしょう。
下記URLはYouTubeにThe Art of Pepper Vol. 1-2が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=YA-mUFwwoLo
これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・