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【Jazz おすすめ名盤】ケニー・ドリュー・トリオ『35』— ハードバップ黄金期を彩るピアノトリオの傑作

ケニー・ドリュー・トリオ 趣味を通して感じる癒し

ケニー・ドリュー・トリオ『35』— ハードバップ黄金期を彩るピアノトリオの傑作

ケニー・ドリュー・トリオ

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

1950年代ジャズの黄金時代 — ハードバップの誕生と進化

1950年代のニューヨークは、ジャズの革新と進化が激しく展開された時期です。ビバップが先駆けとなり、より洗練され力強いリズムと旋律が融合したハードバップが生まれ、このスタイルはアフリカ系アメリカ人の文化的ルーツを反映しつつ、ジャズをさらなる高みへと引き上げました。

ハードバップは、ブルースやゴスペルの影響を受けながらも、より複雑な即興性とダイナミズムを持ち、特にニューヨークを中心に活動する若手ミュージシャンたちの間で急速に広まっていきました。その中で、ケニー・ドリューはピアニストとして頭角を現し、1956年に録音された『ケニー・ドリュー・トリオ』は、その時代を象徴する一枚となりました。

アーティスト紹介 — ケニー・ドリューとリズムセクションの名手たち

ケニー・ドリューは、ビバップの影響を受けながらも、力強く躍動感あふれるスタイルで注目を集めたピアニストです。彼はモダンジャズの巨匠たちと共演し、特にハードバップの旗手としてその名を知られました。ドリューのピアノは、鮮やかなタッチとスウィンギーなリズム感が特徴で、その魅力が本作『35』で余すところなく発揮されています。

本作の魅力をさらに高めているのが、ジャズ界屈指のリズムセクションであるポール・チェンバース(ベース)とフィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)です。ポール・チェンバースは、マイルス・デイヴィス・クインテットの一員としても活躍し、その深く安定したベースラインで数々のセッションを支えてきました。一方、フィリー・ジョー・ジョーンズは、ダイナミックでありながら繊細なドラミングで、モダンジャズにおけるリズムの革新を象徴する存在です。

アルバムの魅力 — スタンダードとオリジナルの絶妙なバランス

『ケニー・ドリュー・トリオ』は、ジャズのスタンダード曲を中心に、ドリュー自身のオリジナル曲がバランスよく配置された構成が魅力です。各楽曲が、スウィング感に溢れ、個々のメンバーの高度なテクニックが光ります。特に注目すべきは、デューク・エリントンやセロニアス・モンクといった巨匠たちの楽曲を取り上げ、それらを自分の色に染め上げるドリューの解釈力です。
スイングジャーナル誌選定ゴールドディスク

収録曲紹介:

キャラヴァン
デューク・エリントンの代表作「キャラヴァン」は、本作においてトリオの三位一体となった熱演が聴きどころ。緊張感のあるリズムと、エキゾチックなメロディラインが見事に再現されています。

降っても晴れても
スウィング感たっぷりの演奏が心地よい一曲。ドリューの軽快なタッチとリズムセクションの躍動感が、リスナーを魅了します。

ルビー、マイ・ディア
セロニアス・モンクの名作バラード。ドリューはモンクのユニークなフレーズを崩すことなく、美しく繊細に表現しており、彼の感受性の豊かさが光ります。

ウィアード・オー
ドリュー自身のオリジナル曲。ハードバップらしい、スリリングでエネルギッシュなナンバーであり、トリオ全員が高度なインタープレイを繰り広げます。

テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ
ジャズのスタンダード曲として広く知られているこの楽曲では、ドリューの優雅なタッチが印象的。軽やかなスウィング感とともに聴く者を引き込んでいきます。

星に願いを
映画『ピノキオ』の名曲「星に願いを」は、ケニー・ドリューのアレンジによって、ロマンチックかつスムースなジャズバラードに生まれ変わっています。

ブルース・フォー・ニカ
ドリューによるオリジナルのブルースナンバー。深いブルースフィーリングとともに、トリオのスウィング感が心地よい一曲です。

イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン
スタンダードの「イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン」は、フィリー・ジョー・ジョーンズの軽やかなドラミングが印象的で、トリオの絶妙なアンサンブルを楽しめます。

ハードバップの名盤 — 『ケニー・ドリュー・トリオ』の位置づけ

本作は、ハードバップの真髄を体現する名盤として、1950年代のジャズシーンにおいて重要な位置を占めています。ジャズスタンダードをベースにしながらも、ドリューと彼のトリオはそれらを自分たちのフィーリングで再構築し、エネルギッシュでありながらも、リスナーに心地よいリラックス感を提供しています。

このアルバムの特筆すべき点は、リズムセクションとの緊密なアンサンブル。ポール・チェンバースの流れるようなベースラインと、フィリー・ジョー・ジョーンズの躍動的なドラミングが、ドリューのピアノに完璧に寄り添い、一体感のあるサウンドを生み出しています。

結論 — 癒しとスウィングが融合する一枚

『ケニー・ドリュー・トリオ』は、スウィング感とアンサンブルの妙技が詰まった作品で、ジャズファンはもちろん、リラックスした音楽を求めるリスナーにも最適なアルバムです。特に、日常の喧騒から逃れ、心地よい時間を過ごしたい時に、このアルバムを流せば、ケニー・ドリューの鮮やかなピアノとリズムセクションの調和が、心を癒してくれるでしょう。

この素晴らしいアルバムを紹介することで、あなたもジャズの持つ魅力と癒しの力を感じてみてください。

YouTubeにキャラバン – ケニー・ドリュー・トリオが上がっていましたので貼らせて頂きました。

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

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