水彩画で描く平戸・根師子の浜の夏景色|115作目は砂浜に映る木陰と海の青
今年の夏も、ようやく新作をお届けできる季節となりました。
水彩画第115作目は、毎夏訪れている長崎県平戸市・根師子(ねしこ)の浜海岸の景色です。
7月18日の前作「小石川後楽園・大泉水のほとりの静寂」をアップしてから少し時間が空きましたが、皆さまにお待ちいただいた分、思い入れの強い一枚となりました。これからは11月にかけて毎週1回のペースで新作を発表していく予定です。
第114作目で一区切りを迎えた「都会と自然の融合を描くシリーズ」の最終章から、今回は再び旅先で出会った夏の海をテーマに、新しい章の幕開けです。
平戸・根師子の浜の魅力
根師子の浜は、平戸島の西側に広がる白い砂浜と透明度の高い海が特徴的なスポットです。
毎年夏になると訪れるこの浜辺は、どこか懐かしさを感じさせる穏やかな海水浴場として、多くの人々に愛されています。
特に、浜の入り口付近に立ち並ぶ道路沿いの木々が落とす影が、砂浜をやさしく彩ります。
この木陰が白い砂浜に映る様子は、夏の強い日差しと海からの涼しい風を同時に感じさせてくれ、絵を描く者にとってはたまらないモチーフです。
私にとって根師子の浜は、単なる観光地ではなく、
季節の移ろいや海辺の光の変化を確かめに戻る「心の帰り道」のような場所です。
第115作目の制作背景
今回の作品は、浜の入り口付近から見た風景を切り取りました。
道路沿いの並木が作り出す長い影が、海に続く白い砂浜に落ちる様子を描いています。
筆を入れるたびに思い浮かんだのは、
「夏のお昼前の静かな時間」です。
観光客の声や波の音、風に揺れる葉の影――
そのすべてを一枚の絵に込めたいと思い、何度も光と影の境目を描き直しました。
絵の中に表現したかったのは、単なる風景ではなく、
訪れる人を優しく包み込む浜辺の空気感でした。
描写のポイント:光と影のコントラスト
今回特にこだわったのは、
日差しを受けた白い砂と木陰の対比です。
夏の海を美しく見せるためには、海の青や空の広がりだけではなく、
砂浜が光をどう受け止めるかが重要です。
根師子の浜では、真昼の強い日差しが砂をほのかに金色に輝かせ、
木々が作る影が淡い青やグレーを帯びます。
このコントラストを丁寧に塗り重ねることで、
画面に奥行きと時間の流れを感じさせる表現ができました。
過去作とのつながり
これまでMakuro11.comでは、季節の移ろいや旅先の風景をテーマにした水彩画を数多くご紹介してきました。
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第108~114作目:小石川後楽園シリーズ・大泉水のほとり周辺から描く静寂と都会の融合
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第105〜107作目:平戸の教会~平戸大橋 近年の風景
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第101〜104作目:大濠公園を中心とした周辺の自然風景
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初期作~100作:Makuro7.comで四季折々の花々や福岡周辺の自然風景
こうしたシリーズの積み重ねを経て、今回の115作目は
「旅の記憶を水彩で紡ぐ新しいスタート」と位置づけています。
平戸の旅と絵のインスピレーション
実際に訪れた平戸の旅は、絵の世界観を豊かにしてくれます。
特におすすめしたいのが、以下のブログ記事です。
旅を通して感じた空気や光の印象が、そのまま水彩の色調に表れています。
今後の展望
この115作目を皮切りに、秋に向けて新作を続々と発表していく予定です。
季節ごとの自然の変化や、旅先で出会った風景を丁寧に描き続けることで、
見る人の心にもやさしい時間が届けばと願っています。