小石川後楽園・大泉水のほとりから描く静寂と都会の融合|水彩画で綴る最終章【第114作目】
【はじめに】シリーズ最終作となる小石川後楽園の風景
2025年初夏、私が水彩画シリーズのラストとして選んだのは、小石川後楽園の大泉水を望む、やや開けたベンチのある休憩所からの風景でした。
この場所は、前回(第113作)で描いた大木越しの構図から数メートル移動した位置。自然の広がりと都市の景観が調和する、まさに「都会の中の静けさ」を体感できるスポットです。
【構図の工夫】視線を導くベンチと水辺の流れ
今回の構図の中心には、木製のベンチ群と、大泉水に注ぐ小川の流れを配置しました。
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ベンチ:近景に置くことで、観る人がその場に腰掛けているような感覚に
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小川のカーブ:奥行きを生み、視線を自然と池と木立へと誘導
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遠景のビル:ベルサール飯田橋ファーストなど高層建築も含め、現代都市の存在を暗示
【水彩画ならではの魅力】光と影、にじみの表現
この作品で工夫したのは以下の点です:
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ベンチの木肌の質感:薄いグレーと青味を重ね、陰影で立体感を出す
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地面の質感:ウォームブラウンと湿度を感じさせる影で描写
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水面の表現:空と木々の反射を混色で表現し、風の揺らぎをにじみで再現
【都市と自然の共存】ビル群の扱いと意味
背景に立つビル群(飯田橋ファーストなど)は、本作において単なる背景ではありません。
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庭園の静寂さを際立たせる“対比的存在”
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彩度を抑え、霞んだように描くことで「距離感」と「時間の流れ」を表現
【小石川後楽園の魅力再発見】大泉水と周辺の物語
大泉水は、庭園の中心として、蓬莱島や石橋といった見どころを数多く抱える重要な場所。
本作では、その一角にある比較的人の少ない休憩スポットから、「水の音」「葉の揺らぎ」「都市のざわめき」を静かに感じる時間を切り取りました。
【シリーズを振り返る】第108作〜114作を通して描いたもの
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第108作目:蓮池と東京ドームのコントラスト
【水彩画108作目】小石川後楽園の秋を描く|東京ドームを望む蓮池の風景と癒しの散歩記録 – 松藏七代 癒しの情報 -
第109作目:秋の小石川後楽園と高層ビルの調和
【水彩画109作目】東京の秋に溶け込む風景|小石川後楽園の蓮池と高層ビルが奏でる癒しのコントラスト – 松藏七代 癒しの情報 -
第110作目:蓬莱島と大泉水が語る時間の静けさ
【水彩画110作目】東京・小石川後楽園の秋|大泉水に浮かぶ蓬莱島と高層ビルが奏でる静かな対話 – 松藏七代 癒しの情報 -
第111作目:延段入口の「始まり」
小石川後楽園「延段(のべだん)」の入口を描く|歴史と静けさを紡ぐ石畳の風景【水彩画 第111作目】 – 松藏七代 癒しの情報 -
第112作目:唐門へ至る石畳の物語
小石川後楽園「延段」第二場面を描く|唐門が現れる石畳の美と歴史【水彩画 第112作目】 – 松藏七代 癒しの情報 -
第113作目:大木越しに望む都市と自然の融合
小石川後楽園・大木越しに望む大泉水の絶景|水と緑と都市が織りなす静寂の美【水彩画 第113作目】 – 松藏七代 癒しの情報 -
第114作目:ベンチ前の広がりある静寂の景観(今回)
この7作で、小石川後楽園の“歩きながら変化する風景”を水彩で描いてきました。
小石川後楽園とは?|都心に佇む江戸の名園
小石川後楽園は、江戸時代初期に水戸藩の初代藩主・徳川頼房が造園を始め、二代藩主・徳川光圀(水戸黄門)によって完成された回遊式築山泉水庭園です。東京都文京区に位置し、東京ドームや文京シビックセンターといった現代的な建築物と隣接しながらも、園内に一歩足を踏み入れるとまるで別世界のような静けさが広がります。
特に秋は、紅葉に染まったもみじや銀杏が美しく、訪れる人々に深い感動と癒しを与えてくれます。
【まとめ】シリーズ完結に寄せて
歴史ある庭園と、時代を映す都市の共存。
それを肌で感じながら描き続けた小石川後楽園シリーズも、今作で一区切りとなります。
この場所が持つ“時間の重なり”を、絵の中に閉じ込めることができたなら、何よりの喜びです。
次回、今回の様なシリーズを検討中です。しばらくの間、お時間を頂きますようお願い致します。
関連リンク・参考情報
🔗特別名勝・小石川後楽園を秋の散策!東京ドームホテルから歩く癒しの散歩コース(76枚の写真付き) – 松藏七代 癒しの情報(ブログ記事)
- 別Makuro7.COMブログでご紹介した下記タイトルの岡埜栄泉(文京区小石川)もお立寄りのおすすめのお店があります。
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・岡埜栄泉 東京都文京区小石川1丁目24-4
https://koishikawa-okanosou.co.jp/index.html