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【水彩画110作目】東京・小石川後楽園の秋|大泉水に浮かぶ蓬莱島と高層ビルが奏でる静かな対話

【水彩画110作目】東京・小石川後楽園の秋|大泉水に浮かぶ蓬莱島と高層ビルが奏でる静かな対話 趣味を通して感じる癒し

【水彩画】蓬莱島と高層ビルを望む秋の大泉水(第110作)|小石川後楽園に広がる都市と自然の共演

はじめに|東京の秋と向き合う水彩の旅

今回ご紹介するのは、2024年11月1日に訪れた東京都文京区「小石川後楽園」の風景を描いた、水彩画第110作目です。

前回の109作目では、蓮池越しに眺める東京ドームと都市の調和をテーマにしましたが、今回は中央の池「大泉水(だいせんすい)」に浮かぶ蓬莱島(ほうらいじま)をメインに、高層ビルとの対比を描いた作品です。

109作目との連続性を意識しながら、より広い構図、異なる空気感で、都市と自然の「静かな対話」を表現することを目指しました。

小石川後楽園の魅力再考|歴史と未来が交差する場所(F10)

小石川後楽園は、江戸初期の水戸藩主・徳川頼房とその子・光圀(黄門様)が造園した、回遊式の日本庭園です。

都心に位置しながらも、四季折々の自然と歴史的な造形が調和し、さらに周囲の高層ビル群によって「江戸と令和の共演」が見られる、極めて稀有な場所でもあります。

今回描いた大泉水と蓬莱島の構図は、この庭園の中心部とも言えるエリア。大名庭園の様式を色濃く残しながら、背景には現代的な高層建築が立ち並び、東京の多層的な魅力が凝縮されています。

現地取材記|晩秋の風と光を追いかけて

2024年11月1日、午前9時過ぎ。空気が澄み、秋晴れの陽光が園内を柔らかく包んでいました。

池に浮かぶ小島――蓬莱島――は、かつて「不老不死の理想郷」を象徴する意匠として多くの庭園に設けられましたが、ここでもその神秘的な存在感を放っていました。

池の水面には紅葉の色とビルの影が淡く映り、まさに「時間が交差する場所」に立っているような感覚を覚えました。

背景に見えるのは、奥から:

  • パークコート文京小石川 ザ タワー(40階)

  • 文京ガーデン ゲートタワー(23階)

  • 文京シビックセンター(25階)

いずれも堂々とした佇まいですが、庭園の静けさを壊すことなく、むしろ風景を引き立てる存在になっているように感じました。

構図の工夫|蓬莱島と高層ビルが語り合う風景

今回の水彩画では、「古と今」「自然と人工物」という二項対立のバランスを意識しました。

大泉水の鏡面としての役割

池の水面は、自然と建築を映す「鏡」として機能しています。静かな水の反射に、空の青とビルの輪郭が溶け込み、どこまでが現実か錯覚させるほど。

蓬莱島の神秘性

蓬莱島の松は、力強く、かつしなやかに描きました。中心に据えることで、時間軸の中心点としての役割も担わせています。

ビル群の描き方

ビルは強調しすぎず、あくまで背景としての「現代的な存在感」を出すように。輪郭線は最小限に留め、空気遠近法で奥行きを表現しました。

色彩へのこだわり|秋と都市の繊細な重なり

庭園等を表現するにあたり、下記描写には特に力を入れました。

  • 黄緑色はレモンイエロー、蛍光レモンを加えて彩度を調整

  • 前回も芝生はまだ夏の名残を残した黄緑色をそのまま活かすことで、季節の境界線を描写

空は、朝のクリアな青から、午後に向けてわずかにグレーを含ませたトーンへとグラデーションを施しています。

作品に込めた想い|視覚の先にある「癒し」

この風景が伝えてくれたのは、「都市にも、静かな時間が流れている」という事実でした。

東京に生きる私たちは、日々のスピードの中で、風景を見る心の余裕を失いがちです。しかし、ほんの数歩足を止めるだけで、目の前に広がる景色は、確実に何かを語りかけてくれます。

「ただ美しい」だけでない、「記憶に残る癒しの風景」を、これからも描いていきたいと思います。

印象に残った出会い|風景と人の交差点

蓬莱島を見つめながら、立ち止まっていた中年のご夫婦が「ここに来ると、東京が少し優しく感じる」と語っていたのが印象的でした。

都市で生きることに疲れたとき、自然の中にある人の痕跡や、建物と自然が調和している光景が、私たちの心をそっと包んでくれるのかもしれません。

お詫びと次回予告|「延段」作品は次回に公開予定です

※前回の作品(第109作目)の末尾にて、次回作は石畳の通路「延段(えんだん)」をモチーフにした作品とご案内しておりましたが、1作品順序が前後してしまいました。訂正してお詫び申し上げます。

次回こそ、石畳の通路「延段」を描いた作品をご紹介いたします。完成次第、ブログ・SNSにてお知らせいたしますので、ぜひブックマークやフォローをお願いいたします。

終わりに|水彩画を通して季節と語らう時間を

今回の作品では、東京という大都市の中に潜む「癒しの断片」を、水彩で丁寧に掬い取りました。

あなたの心の中にも、静かな秋風が吹き抜けるような、そんなひとときを届けられたなら幸いです。

今後も、「趣味を通して感じる癒し」をテーマに、季節と語らうように作品を描き続けてまいります。

✅ 関連リンク:

・岡埜栄泉 東京都文京区小石川1丁目24-4
https://koishikawa-okanosou.co.jp/index.html

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