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🌊【水彩画106作目】長崎・平戸「宝亀教会」を描く — 潜伏キリシタンの記憶とともに蘇る、海に浮かぶロマネスクの祈り

長崎・平戸「宝亀教会」 趣味を通して感じる癒し

水彩画で綴る平戸の記憶:歴史的名建築「宝亀教会」をデッサンで描く

はじめに — なぜ「宝亀教会」なのか

水彩画105作目として描いた「カトリック紐差教会」は、荘厳なロマネスク様式と静謐な鐘の音が心を打つ作品となりましたが、アクセス数は20程度と伸び悩みました。今回アップする106作目では、再び平戸の歴史に深く根差した教会「宝亀教会」を題材に選びました。

この教会は、絵としての魅力はもちろん、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の流れに深く関わる歴史を持つ、非常に興味深い存在です。かつては世界遺産候補として名を連ねながらも、ある出来事により除外されてしまったその背景も含め、描くことの意味を考えさせられました。

宝亀教会の歴史と文化的背景

平戸最古のカトリック教会

宝亀教会は、長崎県平戸市宝亀町にあるカトリック教会で、平戸市で最も古い教会です。1885年(明治18年)に仮聖堂が建てられ、1898年(明治31年)、マタラ神父の指導のもと現在の教会が建設されました。

この地に残されたキリシタンの記憶は、単なる宗教的建造物を超えて、禁教時代を経て信仰を守り抜いた人々の象徴でもあります。

有形文化財への指定

2003年には長崎県指定有形文化財に登録され、その歴史的価値が広く認められています。特筆すべきは、教会の美しさだけでなく、周囲の風景との調和もまた、心に残ります。前方には、かつて賑わいを見せていた宝亀小学校の体育館が静かに佇み、さらにその向こうには、穏やかな海が広がっています。教会とともにあるこの風景は、時がゆっくりと流れていることを、そっと教えてくれます。

下記のURLでもご確認頂けます。

宝亀小学校がなくなるとは!4Kドローン映像

世界遺産から除外された理由とその意味

2000年に行われた大規模な改修工事により、元の構造から一部材料や技法が変更されたことが、後に重要な問題となります。

奈良文書と「真正性」の問題

「奈良文書(Nara Document on Authenticity)」では、文化資産の保存修理には真正性(オーセンティシティ)を守る必要があるとされています。しかし、宝亀教会の改修はこれに適合せず、2012年の第3回長崎県世界遺産登録推進会議にて、正式に候補から除外されました。

これは皮肉にも、文化財を保存しようとした行為が、世界遺産からの除外という結果に繋がったという複雑な事例です。

水彩画106作目:宝亀教会デッサンの想い

今回アップした106作目は、まだ色付け前のデッサンの段階です。下描きだからこそ伝えられる、建築の骨格と存在感。そして何より、時代に翻弄されながらも、そこに立ち続ける祈りの場としての重みを描きました。

長崎・平戸「宝亀教会」

ロマネスク様式の柔らかなアーチや、屋根の緩やかな傾斜、山と海に抱かれるようなロケーション。どれも描くほどに静けさと癒しが心に広がっていきます。

過去作とのつながり:作品71・75と描き続ける風景

これまでにも宝亀教会をテーマに2作描いています。

これらの作品では、海辺に広がる風景、船着場、遠くに浮かぶ島々を描いています。106作目はそれらの延長線上にありながらも、建築そのものの魅力にフォーカスしています。

更に、過去に有名となっている寺院と教会からの独自の風景も描きました。

寺院から教会へ向う風景 作品16
寺院から教会へ向う風景 作品16

宝亀教会周辺の景観と魅力

廃校となった宝亀小学校と静かな海辺

教会の真下には、かつて地元の子どもたちの学び舎だった宝亀小学校があります。現在は廃校となり、体育館と一部施設だけが静かに残されています。その風景は、過ぎ去った時間をそっと語りかけてくるようです。

景観との一体感

丘の上に建つ宝亀教会から見渡す海と町並みは、時間が止まったかのような美しさを持っています。その眺望をぜひ、以下の映像でもご覧ください。

YouTube・AR・観光ガイドから見る宝亀教会

宝亀教会の魅力は、動画やARコンテンツでも楽しめます。

  1. 宝亀小学校がなくなるとは!4Kドローン映像

  2. 宝亀教会 公式長崎観光サイト

  3. 宝亀教会AR紹介映像

  4. TripAdvisorレビュー

これらの情報を通して、教会を訪れる前にイメージを膨らませることができるだけでなく、実際に描く際の資料としても非常に有益です。

まとめ — 教会を描くという癒し

今回の106作目「宝亀教会」のデッサンを描く中で、建築の美しさだけでなく、その背後にある人々の祈りや歴史の厚みに何度も心を打たれました。

世界遺産登録から外されたとはいえ、宝亀教会が持つ価値は今も変わらず輝いています。そして、絵を通じてその魅力を少しでも伝えられればという想いで、1週間後には色付けした完成作品をアップ予定です。

関連リンク・参考資料

📌 次回予告:宝亀教会の色付け版を1週間後にアップ予定です。ぜひブックマークをしてお待ちください!

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前回の作品リンクは下記になります。

【水彩画105作目】平戸市の歴史的名建築「カトリック紐差教会」を描く — 心に響く鐘の音とロマネスク様式の美しさに癒されて – 松藏七代 癒しの情報

下記は別ブログでアップした100作までのリンクになります。

水彩画の風景画 – 松藏七代 生活お役立ち部屋&趣味の部屋

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