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『The Poll Winners Ride Again!』徹底解説|西海岸ジャズの名手たちが奏でる癒しとスウィングの傑作アルバム

ザ・ポール・ウィナーズ・ライド・アゲイン バーニー・ケッセル 趣味を通して感じる癒し

『The Poll Winners Ride Again!』:バーニー・ケッセルら西海岸ジャズの名手たちが贈る至高のトリオアルバム

内容が間違っていたため、変更させて頂きました。申し分けございません。
2025年1月17日 8:30

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

西海岸ジャズを代表する傑作トリオが再び集結!「The Poll Winners Ride Again!」

1958年、ジャズ黄金時代の真っ只中に生まれたアルバム『The Poll Winners Ride Again!』は、ギタリストのバーニー・ケッセル、ベーシストのレイ・ブラウン、そしてドラマーのシェリー・マンという3人のトップアーティストによるギター・トリオのセカンド・アルバムです。

1957年にリリースされた1作目『The Poll Winners』が大成功を収めた後、この続編として制作された本作は、前作を超えるスウィング感と、3人のプレイヤーが織りなす絶妙なアンサンブルが楽しめる一枚となっています。リラックスしたムードの中にも卓越した演奏技術が随所に感じられ、西海岸ジャズならではの洗練されたサウンドと癒しが見事に表現されています。

この記事では、このアルバムの時代背景、アーティスト紹介、収録曲の詳細レビューを網羅し、その魅力を深掘りしていきます。ぜひ読んで、ジャズの素晴らしい世界へ足を踏み入れてください。

ジャズの黄金時代と「西海岸ジャズ」の魅力

『The Poll Winners Ride Again!』が録音された1958年は、ジャズが世界的に愛された黄金時代の最盛期でした。ニューヨークを中心にハードバップやビバップといったジャンルが盛り上がる一方、西海岸では「西海岸ジャズ(ウエスト・コースト・ジャズ)」と呼ばれるスタイルが確立されていました。

西海岸ジャズの特徴は、都会的でクールな音色、洗練されたアレンジ、そしてリラックスした雰囲気にあります。このスタイルは、ジャズが持つスウィング感を保ちながらも、ハードバップのような熱狂的な演奏とは一線を画していました。そのため、聴く人に癒しや穏やかさを提供するものとして、多くのファンを惹きつけました。

そんな西海岸ジャズの中心人物が、本作に参加したバーニー・ケッセル、レイ・ブラウン、そしてシェリー・マンの3人です。彼らは音楽雑誌『ダウンビート』『メトロノーム』『プレイボーイ』などの人気投票で1位を総なめにし、「Poll Winners」として知られる存在となりました。

アーティスト紹介:3人の名手が織りなす絶妙なサウンド

バーニー・ケッセル (Barney Kessel) – ギター

西海岸ジャズを代表するギタリスト、バーニー・ケッセルは、卓越したテクニックと豊かな表現力で多くのファンを魅了しました。彼はチャーリー・パーカーやオスカー・ピーターソンらと共演した経験を持ち、ジャズギター界の伝説として名を残しています。本作でも、メロディを彩る美しいギタープレイが堪能できます。

レイ・ブラウン (Ray Brown) – ベース

モダンジャズの巨人として知られるレイ・ブラウンは、その正確無比なリズム感と豊かな音色で多くの名盤を支えてきました。エラ・フィッツジェラルドとの共演でも知られ、彼のベースラインはジャズトリオの中核をなしています。本作でもその抜群の安定感がトリオを引き立てています。

シェリー・マン (Shelly Manne) – ドラムス

シェリー・マンは、西海岸ジャズの象徴とも言えるドラマーです。彼のドラミングはテクニカルでありながらも繊細で、楽曲に多彩なリズムと躍動感を加えています。本作でも、彼のリズムセンスがトリオに見事なバランスを与えています。

収録曲レビュー:珠玉の9曲を深掘り

ザ・ポール・ウィナーズ・ライド・アゲイン バーニー・ケッセル

1. ビー・ディードゥル・ディー・ドゥ (Be Deedle Dee Do)
スウィング感たっぷりのこの楽曲は、アルバムの冒頭にふさわしい軽快な一曲。3人の息の合った演奏が心地よく、リスナーをアルバムの世界へと引き込んでいきます。

2. ヴォラーレ (Volare)
イタリアの名曲をジャズアレンジで大胆に再解釈した「ヴォラーレ」。バーニー・ケッセルの軽快なギターリフと、シェリー・マンのリズムが魅力的です。ポップな要素もあり、幅広いリスナーに楽しんでもらえる一曲です。

3. スプリング・イズ・ヒア (Spring Is Here)
ロマンチックなバラードで、春の訪れを感じさせるようなメロディが特徴です。特に、レイ・ブラウンのベースが曲全体に温かみを与えています。

4. 飾りのついた四輪馬車 (Surrey with the Fringe on Top)
明るく牧歌的な雰囲気が魅力の楽曲。ギター、ベース、ドラムが織りなす調和の美しさが感じられます。

5. カスタード・パフ (Custard Puff)
3人の即興性が際立つ楽曲で、特にケッセルのギターが自由奔放に楽しさを表現しています。

6. ホエン・ザ・レッド、レッド・ロビン・カムズ・ボブ、ボブ・ボビン・アロング (When the Red, Red Robin Comes Bob, Bob, Bobbin’ Along)
陽気で軽快な一曲。西海岸ジャズの持つリラックス感が存分に味わえます。

7. フォーリン・イントリーグ (Falling Intrigue)
美しいメロディラインが印象的な楽曲で、3人の卓越した演奏技術が存分に発揮されています。

8. エンジェル・アイズ (Angel Eyes)
深い情感を湛えたバラードで、夜に聴きたくなるような一曲。ブラウンのベースが特に印象的です。

9. ザ・メリー・ゴー・ラウンド・ブローク・ダウン (The Merry-Go-Round Broke Down)
アルバムの締めにふさわしい遊び心あふれる楽曲。トリオの抜群のチームワークを感じられます。

西海岸ジャズの魅力を詰め込んだ一枚

『The Poll Winners Ride Again!』は、3人の名手が持つ個々の実力と、彼らのチームワークによる完璧なアンサンブルが詰め込まれた傑作アルバムです。リスナーに癒しと元気を届けるこのアルバムは、西海岸ジャズの名盤として今なお多くのファンに愛されています。

これからジャズを聴き始めたい方にも、長年のジャズファンにもおすすめの一枚。ぜひ手に取って、その魅力を堪能してください

下記URLはYouTubeにBe Deedle Dee Do – The Poll Winners (Kessel, Brown, Manne)が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=L5x-eQWM0RE&list=PLyHn3f7-9IUL7WxcQ-cfjedIOlVacvgHp

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

西海岸ジャズの象徴「コンテンポラリー・レコーズ」

このアルバムは、ロサンゼルスを拠点とするコンテンポラリー・レコーズからリリースされました。同レーベルは、1951年にレスター・ケーニッヒによって設立され、西海岸ジャズを世に広める役割を果たしました。録音エンジニアのロイ・デュナンとハワード・ホルツァーの卓越した技術も、アルバムの完成度を高める要因となっています。

2022年には最新リマスター音源を採用し、オリジナルテープからマスタリングされた高音質版がリリースされました。これにより、よりクリアで臨場感のあるサウンドが楽しめるようになっています。

前回ご紹介したアルバム
1957年ウェストコーストジャズの傑作『ザ・ポール・ウィナーズ』: バーニー・ケッセル、レイ・ブラウン、シェリー・マンによる名盤で癒しの時間を – 松藏七代 癒しの情報

コンテンポラリー・レコーズの名盤

アート・ペッパー『Art Pepper Meets the Rhythm Section』
西海岸ジャズの代表作として知られるアルバムで、繊細なサウンドが魅力です。
アート・ペッパー『Art Pepper Meets The Rhythm Section』:伝説のジャズセッションとその魅力を徹底解説 – 松藏七代 癒しの情報

シェリー・マン『Shelly Manne & His Men at the Black Hawk』
シェリー・マンのドラミングが堪能できるライブ録音作品。

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