ジャズの巨匠デューク・エリントンによる『Ellington At Newport (Complete)』 – 歴史的名演とアルバム紹介
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
最高の癒しとともに聴く名作ジャズアルバム:Duke Ellington 『Ellington At Newport (Complete)』
ジャズの歴史に残る名演 – 1956年ニューポート・ジャズ・フェスティバル
ジャズの歴史において1950年代は、ビバップやハードバップなど新たな潮流が生まれ、伝統的なビッグバンドが衰退の危機に立たされていた時代です。
しかし、1956年のニューポート・ジャズ・フェスティバルは、そんなビッグバンドジャズの巨匠、デューク・エリントンにとっての再出発の場となりました。
このフェスティバルでのパフォーマンスを収録したアルバム『Ellington At Newport (Complete)』は、ジャズファンの間で長年語り継がれ、エリントン楽団の名声を再び高めることに成功しました。
特に、ポール・ゴンザルヴェスによる圧巻のテナーサックスソロが展開される「ディミニュエンド・イン・ブルー」から「クレッシェンド・イン・ブルー」への演奏は、27コーラスに及ぶ即興ソロで観客を熱狂の渦に巻き込み、エリントン楽団に新たな光をもたらしました。
アーティスト紹介:デューク・エリントン
デューク・エリントン(Duke Ellington)は、ジャズ界における最も偉大な作曲家・バンドリーダーの一人であり、彼の音楽はアメリカ音楽の文化的象徴となりました。
彼のキャリアは1920年代に始まり、彼の多様な作曲スタイルや独特のオーケストレーションにより、ジャズの枠を超えた音楽表現を追求しました。エリントンは、「A列車で行こう」や「ムード・インディゴ」といったジャズの名曲を生み出し、世界中の聴衆を魅了し続けています。
『Ellington At Newport (Complete)』の魅力
本アルバムは、1956年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでの伝説的なライブパフォーマンスを完全収録した2枚組のCDです。
オリジナル版は技術的な問題によりスタジオでの再録音が含まれていましたが、1999年に「Voice of America」のオリジナル録音が発見され、ついに本物のライブ演奏が日の目を見ることとなりました。
アルバムの特徴は、単なるライブ録音以上に、エリントンのバンドの卓越した演奏力とその場の熱狂的な雰囲気が完全に伝わる点です。エリントンが即興で曲を進行させる場面や、観客の反応がリアルに反映されており、まさに「その瞬間」に立ち会っているかのような臨場感を味わうことができます。
特に注目すべきは、以下のパフォーマンスです:
「ディミニュエンド・イン・ブルー」から「クレッシェンド・イン・ブルー」:ポール・ゴンザルヴェスの27コーラスに及ぶソロは、ジャズ史上屈指の名演として広く知られています。
「A列車で行こう」:エリントン楽団の代表曲で、リズミカルなスウィング感と洗練されたアレンジが楽しめます。
「Sophisticated Lady」:ジョニー・ホッジスのサクソフォンがしっとりとしたムードを醸し出す美しいバラード。
収録曲のリスト
ディスク1:
Star Spangled Banner
Black And Tan Fantasy
Tea For Two
Take The A Train
Festival Suite: Part I – Festival Junction
Diminuendo In Blues And Crescendo In Blue
Sophisticated Lady
…(以下続く)
ディスク2:
I Got It Bad (And That Ain’t Good)
Jeep’s Blues
Mood Indigo
Festival Suite: Part I – Festival Junction (Production)
Tulip Or Turnip
…(以下続く)
まとめ
『Ellington At Newport (Complete)』は、ジャズの歴史的瞬間を体感できるだけでなく、エリントン楽団の偉大さを再認識させてくれるアルバムです。このアルバムを通して、1950年代後半におけるビッグバンドジャズの再興に貢献したデューク・エリントンの偉業を追体験してみませんか?
聴けば心に深い癒しと感動をもたらす名作ジャズアルバムです。自宅でリラックスした時間を過ごしながら、エリントンの音楽に浸りましょう。
下記URLはYouTubeにThe Star Spangled Banner (Live)が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=uiIj7scBkKs&list=PLKjjIa7cwTkJFCqKqbdpcbVvOH8qSst3B
これから、明日から徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・