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小石川後楽園・大木越しに望む大泉水の絶景|水と緑と都市が織りなす静寂の美【水彩画 第113作目】

小石川後楽園・大木越しに望む大泉水の絶景 自然の中で感じる癒し

水彩画で描く小石川後楽園|大木越しに広がる大泉水と背景ビルの風景【第113作目】

はじめに|小石川後楽園シリーズ、最終章を前に

小石川後楽園を題材にした水彩画シリーズもいよいよ終盤、第113作目を迎えました。

第111作目で描いたのは、「延段(のべだん)」の入口部分。
そこから歩みを進め、第112作目では唐門が視界に現れる石畳の第二場面を描きました。

そして今回、第113作目のテーマは、「大木越しに望む大泉水と背景の都市景観」。

池のほとりに立つと、視界には歴史ある庭園の緑と穏やかな水面、そして背景に控える近代的な高層ビルが同居します。
自然と都市、歴史と現代──この不思議な調和を水彩画でどう表現するかに挑戦した作品です。

大木を前景に配した構図の理由

今回の作品の特徴は、画面左手前に大きく描かれた大木です。

小石川後楽園・大木越しに望む大泉水の絶景

この大木は、ただのモチーフではありません。
手前の幹と枝が画面を縦に分け、視線を自然に池の奥へと導く役割を果たしています。

  • 幹と枝葉がつくるフレームにより、池の広がりと奥行きが引き立つ

  • 古木の存在感が、絵全体に重厚さを与える

  • 左から右へ、または手前から奥へと、自然に視線が流れる構図に

この構図を選んだのは、単なる「風景の記録」ではなく、庭園を歩いているときの体感を描きたかったからです。

水彩画ならではの表現|色彩・にじみ・光と影

水彩画の魅力は、偶然生まれるにじみや透明感にあります。

水面の表現

大泉水の水面は、静かなときも風に揺れるときも、刻々と表情が変わります。

  • 空の青、木々の緑、背景のビルの影などを薄く重ね、奥行きと深みを表現

  • 水面の反射部分には、やや淡い色を使い、風の動きや光の揺らぎを感じさせる

大木の描写

幹の部分には、焦げ茶とグレーを重ね、自然な木肌の凹凸を。
枝葉はやや黄緑を加えて、初夏の明るさを表現しました。

近景に描くことで、見る人の視線がまず幹に止まり、その先へと自然に導かれる構成になっています。

背景ビルの処理

背景に立つ高層ビルは、彩度を落としてやや霞むように描きました。
庭園の中から都市を見たときに感じる「少し遠いけれど確かにそこにある」という距離感を意識しています。

又、今回は場所がわかりづらいこともあり、Googleマップからハードコピーを採取、下記にアップしました。この中の異形灯籠(真中よりの最下位紫色のマーク)から見えてる風景になります。

庭園の中の都市景観|小石川後楽園ならではの魅力

小石川後楽園は江戸初期に造られた大名庭園。
しかし現代では、周囲を高層ビル群に囲まれ、その景観は「歴史と都市が同居する庭園」として特有の魅力を持っています。

今回の作品でも、

  • 池の自然な曲線と、

  • ビルの無機質な直線

を一枚の絵の中に収め、自然と人工物の対比をテーマにしました。

歴史背景と見どころ|大泉水とその周辺

大泉水は、小石川後楽園の中心を成す大きな池。
池の中島や石橋、背後の築山などは、中国の西湖をモデルに造営されたといわれます。

周囲にはさまざまな植栽や石灯籠が配置されており、歩くたびに異なる景観を楽しめるのも魅力。

今回の作品では、その中でも特に大木越しに池を望む場所を選びました。
この視点は、木々の間から池を垣間見るという、日本庭園特有の「借景(しゃっけい)」的発想にも通じます。

現地で感じたこと|静寂と都会の息吹

取材したのは、2024年11月1日 朝
池の周囲には観光客もいましたが、不思議と静けさを感じました。

風にそよぐ木の葉の音、遠くで聞こえる街の気配、そして水面に映る空の色。

庭園にいるとき、背景にビルが見えると「都市にいる」という実感もよみがえります。
でもそれが嫌味ではなく、むしろ庭園の歴史や時間の重みを感じさせるのが、小石川後楽園の面白さです。

描き方の工夫|見る人を「その場に立たせる」

ただ「池を描く」のではなく、「その場に立って景色を眺める感覚」を再現することを目指しました。

  • 大木を近景に描くことで、絵を見る人が木陰に立っているように感じる

  • 水面と空の色を近いトーンにまとめ、自然と奥行きを表現

  • ビルの描写を抑えることで、池の存在感を主役に

この構図と色彩によって、静かな時間の流れを絵に閉じ込めました。

来園者の声|「都会の中の静けさ」

実際に庭園を訪れた人からは、こんな感想を聞きました。

  • 「大きな木の下に立つと、都会の音が少し遠くなる」

  • 「水面に映る空が、その日の天気で全然違う表情を見せる」

  • 「背景にビルが見えるのに、不思議と落ち着く」

こうした声が、この場所の特別さを物語っています。

第111作・第112作とのつながり、そして次回

これまでのシリーズを振り返ると、

  • 第111作:延段の入口で「始まりの静けさ」

  • 第112作:唐門が現れる場面で「景観の変化」

  • 第113作:池と都市が共存する場所で「自然と人工の対比」

少しずつ歩みを進め、庭園の表情を描き分けてきました。

次回、第114作目はシリーズ最後の作品。
池の少し先にある休憩ベンチ付近から、大泉水を望む景色を描く予定です。

まとめ|歴史、自然、都市をつなぐ一枚

小石川後楽園は、ただの歴史的庭園ではありません。
歩くことで景色が変わり、過去と現在が同時に見える場所です。

前回、今回の水彩画が、その静けさや時間の深みを感じていただける一助になれば幸いです。

  • 🖌️ 第111作目|石畳「延段」の入口を描く|歴史が始まる静かな風景

  • 🖌️ 第112作目|唐門が現れる石畳の第二場面|景観の変化を感じる

どうぞ下記の次回作もお楽しみに。

  • 🖌️ 近日公開予定!第114作目|休憩ベンチ付近から大泉水を望むラストシーン

✅ 関連リンク:

・岡埜栄泉 東京都文京区小石川1丁目24-4
https://koishikawa-okanosou.co.jp/index.html

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