ジャズの深い感動をソニー・ロリンズ『ロリンズ・プレイズ・フォー・バード＋』で味わう
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
ジャズを聴いて、心を癒しながらも、熱い情熱を感じたい方には、ソニー・ロリンズの名盤『ロリンズ・プレイズ・フォー・バード＋ (Rollins Plays for Bird+)』をおすすめします。
このアルバムは、ジャズの巨匠たちによるビバップの名曲を集めたもので、ソニー・ロリンズと仲間たちが、チャーリー・パーカーに捧げる魂のこもった演奏を披露しています。心地よいハーモニーと力強い演奏が、聴く者に深い感動とリラックスをもたらします。
ジャズの時代背景 – 1950年代とビバップの進化
1950年代は、ビバップがその人気を博し続け、モダンジャズの礎を築いた時代です。この時期、アーティストたちはビバップの速いテンポや高度な技術に挑戦しつつも、感情豊かな表現を模索していました。
チャーリー・パーカー (Charlie Parker)は、ビバップを代表する巨匠であり、彼の革新的なサックス演奏と音楽理論は、ジャズの新しい方向性を切り開きました。
ソニー・ロリンズは、パーカーの後を追うサックス奏者として、1950年代に頭角を現しました。彼はビバップの精神を受け継ぎつつも、自身の個性を持ち、スウィングと感情のバランスを完璧に融合させた演奏スタイルで多くのファンを魅了してきました。
ソニー・ロリンズと『ロリンズ・プレイズ・フォー・バード＋』の概要
このアルバムは、1956年10月にニュージャージーで録音され、ソニー・ロリンズ（テナーサックス）がリーダーを務めましたが、実際には名ドラマーであるマックス・ローチ率いるクインテットのメンバーが参加しています。アルバムのテーマは、ビバップの創始者であるチャーリー・パーカーへのトリビュートであり、パーカーの影響を受けた名曲が収録されています。
このアルバムのパーソネルには、ジャズの歴史に残る名プレイヤーたちが名を連ねています。
ケニー・ドーハム (Kenny Dorham) – トランペット
ウェイド・レグ (Wade Legge) – ピアノ
ジョージ・モロウ (George Morrow) – ベース
マックス・ローチ (Max Roach) – ドラム
彼らのサポートによって、ロリンズはこのアルバムで自由自在に表現し、ビバップのエッセンスを鮮やかに描き出しています。
アルバムの曲目と詳細紹介
このアルバムには、ビバップの代表曲やスタンダードナンバーが収録されており、それぞれがチャーリー・パーカーへの敬意を込めた名演となっています。ロリンズとクインテットの息の合ったパフォーマンスが、心に響く演奏を生み出しています。
アイ・リメンバー・ユー | マイ・メランコリー・ベイビー | オールド・フォークス | ゼイ・キャント・テイク・ザット・アウェイ・フロム・ミー | ジャスト・フレンズ | マイ・リトル・スエード・シューズ | スター・アイズ
アルバムの最初を飾るのは、メドレー形式で繋がるスタンダードナンバーの数々です。ソニー・ロリンズがパーカーの影響を受けながらも、自身の個性を存分に発揮しています。なかでも「ジャスト・フレンズ」や「スター・アイズ」は、パーカーが得意とした曲で、ロリンズのテナーが優雅に、時に情熱的に響きます。
キッズ・ノウ (Kids Know)
オリジナル曲で、ロリンズの創造力が爆発するナンバー。軽快なリズムと、ロリンズ特有のダイナミックなフレージングが織り成すこの楽曲は、聴く者にスリリングな感覚をもたらします。クインテット全体の調和が素晴らしく、ジャズの即興性を存分に楽しめる一曲です。
アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ユア・フェイス (I’ve Grown Accustomed to Her Face)
映画『マイ・フェア・レディ』からの一曲。優美でしっとりとしたこのバラードでは、ロリンズのメロディアスな演奏が冴えわたり、まるで物語を語るかのように優雅に展開されます。穏やかなリズムに乗せた演奏が、リスナーの心を静かに包み込み、深い癒しを与えます。
ザ・ハウス・アイ・リヴ・イン (The House I Live In)【CDボーナス・トラック】
追加トラックとして収録されたこの曲は、アメリカの理想を象徴するバラード。ロリンズがここでも豊かな表現力を発揮し、穏やかで感情豊かな演奏を披露します。この楽曲は、ジャズの即興性と美しさが凝縮された名演として、アルバムに新たな深みを加えています。
ロリンズがパーカーに捧げる心のこもったトリビュート
『ロリンズ・プレイズ・フォー・バード＋』は、ジャズの巨匠チャーリー・パーカーに対する敬意を込めた作品ですが、それだけでなく、ソニー・ロリンズ自身の音楽的成長と個性が詰まった作品でもあります。ロリンズのサックスは、パーカーのビバップの影響を受けながらも、独自の流れるようなフレーズとリズム感で、深い感情を表現しています。
また、バックを務めるマックス・ローチやケニー・ドーハムの演奏も素晴らしく、彼らの巧みな演奏がアルバム全体を一層引き立てています。1950年代のビバップの息吹を感じながら、リラックスした雰囲気の中で繰り広げられる演奏は、聴く者にとって心地よいひとときを提供します。
ジャズで癒される – ソニー・ロリンズの音楽世界に浸る
『ロリンズ・プレイズ・フォー・バード＋』は、チャーリー・パーカーに捧げられたトリビュート・アルバムでありながら、ソニー・ロリンズの豊かな表現力と音楽的探求心を感じさせる作品です。このアルバムを通して、ビバップの持つ力強さと繊細さを同時に感じ取ることができ、ジャズの本質的な魅力を味わうことができます。
リラックスしたいとき、心を癒したいとき、そしてジャズの奥深さに触れたいとき、このアルバムはあなたに最適な音楽体験を提供してくれるでしょう。
下記URLはYouTubeにSonny Rollins Quintet – Rollins Plays For Bird (full album)が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=87QBj3FAWRQ
これから、徐々にステレオ録音（1958年前後～）、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・
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