【名盤レビュー】ジャッキー・マクリーン『Swing, Swang, Swingin’』の魅力を徹底解説！収録曲・演奏・時代背景
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
【ジャズ名盤解説】ジャッキー・マクリーン『Swing, Swang, Swingin’』の魅力と時代背景を徹底解説！
ジャズの巨人、ジャッキー・マクリーン（Jackie McLean）が奏でる極上のスウィング！
1959年にブルーノートからリリースされた『Swing, Swang, Swingin’』は、ジャズ・アルトサックスの名手であるマクリーンが、ワンホーン・カルテット編成でスタンダード・ナンバーを存分に演奏したアルバムです。
彼の哀愁漂うトーンと情熱的なフレージングが、ジャズの持つ「癒し」と「躍動感」を完璧に表現した傑作として、今もなお多くのファンに愛されています。
本記事では、このアルバムの魅力を、時代背景・演奏メンバー・収録曲の特徴とともに徹底解説します！
1. 『Swing, Swang, Swingin’』とは？ – ジャズの美学が凝縮された名盤
1-1. アルバムの概要
『Swing, Swang, Swingin’』は、1959年10月20日にニュージャージーで録音され、翌年にブルーノート・レーベル（Blue Note Records）からリリースされた作品です。
マクリーンのブルーノートでのキャリアにおいて、彼がスタンダード・ナンバーに挑戦した数少ないアルバムの一つであり、ジャズ初心者からベテランファンまで幅広く楽しめる仕上がりになっています。
このアルバム最大の特徴は、「ワンホーン・カルテット」という編成にあります。
通常、フロント楽器が2～3管入ることが多い中、本作ではマクリーンのアルト・サックスが唯一の管楽器としてフィーチャーされており、彼の個性が存分に発揮されています。
1-2. 演奏メンバー
本作の演奏を支えたのは、ジャズ界の名手たちです。
- ジャッキー・マクリーン（アルト・サックス）
- ウォルター・ビショップJr.（ピアノ）
- ジミー・ギャリソン（ベース）
- アート・テイラー（ドラムス）
ウォルター・ビショップJr.の軽やかなピアノ、ジミー・ギャリソンの力強いベース、そしてアート・テイラーの躍動感あふれるドラムが、マクリーンのエネルギッシュなプレイを見事に支えています。
2. 1959年のジャズシーンと『Swing, Swang, Swingin’』の位置付け
1959年は、ジャズの歴史の中でも「黄金期」と呼ばれる年です。
この年にリリースされたジャズの名盤を見てみると、その重要性がよく分かります。
- マイルス・デイヴィス『Kind of Blue』 – モード・ジャズの代表作
- デイヴ・ブルーベック『Time Out』 – 変拍子ジャズの金字塔
- ジョン・コルトレーン『Giant Steps』 – 急進的なハーモニーの探求
そんな革新的な作品が生まれた年に、ジャッキー・マクリーンは「ジャズの原点であるスウィング感」を強調した本作を発表しました。
当時のトレンドとは異なるアプローチを取ったことで、逆に「純粋なジャズの楽しさ」を再認識させる作品となりました。
3. 収録曲解説 – スタンダードを彩るマクリーンのサウンド
本作には、以下の7曲が収録されています。
- What’s New（ホワッツ・ニュー）
- Let’s Face the Music and Dance（レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス）
- Stablemates（ステーブルメイツ）
- I Remember You（アイ・リメンバー・ユー）
- I Love You（アイ・ラヴ・ユー）
- I’ll Take Romance（アイル・テイク・ロマンス）
- 116th and Lenox（116丁目レノックス街）
3-1. What’s New – 哀愁漂う名演
アルバムの冒頭を飾るこの曲は、スタンダード・バラードの名曲。
マクリーンのメロウでありながらどこか切ないトーンが印象的です。
3-2. Let’s Face the Music and Dance – 軽快なスウィング
エネルギッシュでありながら洗練されたアプローチが光る一曲。
アート・テイラーのスウィングするドラムと、ジミー・ギャリソンの安定したベースが心地よいリズムを生み出します。
3-3. Stablemates – コンテンポラリーなハード・バップ
ベニー・ゴルソン作曲のモダンな楽曲で、ビショップJr.のピアノ・ソロも聴きどころ。
マクリーンのアドリブはリズミカルで、まさに「スインギン」というタイトルを体現しています。
3-4. I Remember You & I Love You – ロマンチックな演奏
この2曲はどちらも甘美なメロディが特徴のバラード。
ワンホーン編成ならではの親密なサウンドが際立っています。
3-5. 116th and Lenox – ニューヨークのジャズ魂
この曲は、マクリーン自身のオリジナル曲。
彼の故郷ニューヨーク・ハーレムにある116丁目とレノックス街をテーマにした、熱気あふれるモダン・ジャズ・ナンバーです。
4. 『Swing, Swang, Swingin’』の魅力とは？
- ジャズの楽しさを存分に味わえる作品
- スウィング感溢れるリズム、親しみやすいメロディ、美しいバラードがバランスよく配置されています。
- ジャッキー・マクリーンの「哀愁と情熱」が融合したプレイ
- 彼独特のシビアでエモーショナルなトーンが、全曲で存分に発揮されています。
- 初心者からマニアまで楽しめる内容
- スタンダード曲中心の選曲なので、ジャズ初心者でも聴きやすく、演奏の深みはマニアも納得のクオリティ。
まとめ
『Swing, Swang, Swingin’』は、ジャッキー・マクリーンの個性が詰まったスウィング感溢れる名盤！
彼の哀愁と情熱、そしてスウィングの楽しさを堪能できる一枚として、ジャズを愛するすべての人におすすめの作品です。
ぜひ、このアルバムを聴いて、「ジャズの持つ癒しと躍動感」を体感してください！
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
下記URLはYouTubeにWhat’s New (Remastered)が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=RedrwsDN_UM&list=OLAK5uy_nT6NpyL5juwSo_vIBgiajJqGtpDHccPxU
これから、徐々にステレオ録音（1958年前後～）、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・
