マイルス&モンク・アット・ニューポート+5:伝説のライブとアーティストたちの魅力に浸る
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
【時代背景とジャズの進化】
1950年代から1960年代は、ジャズがモダンジャズとして進化し、新しいスタイルが次々に生まれた時代でした。1940年代のビバップを経て、クールジャズ、ハードバップ、さらにはフリージャズへと続く変遷があり、ジャズはアートとしての完成度を高めていきました。
このアルバムは、1958年のマイルス・デイヴィスと1963年のセロニアス・モンクによるニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ音源を収録したもので、それぞれ異なる時期におけるジャズの「巨匠たち」の演奏が楽しめる貴重な記録です。
ニューポート・ジャズ・フェスティバルは、1954年に創設されて以来、世界中のジャズファンを魅了してきたイベントで、当時の最先端のジャズを体感できる場所でした。このフェスティバルの舞台で繰り広げられたマイルスとモンクの演奏は、時代を超えた名演として語り継がれています。
【アーティスト紹介】
マイルス・デイヴィス (Miles Davis)
ジャズの進化を象徴するトランペッターであり、バンドリーダー。マイルスは、クールジャズやモードジャズの先駆者であり、「Kind of Blue」などの名盤で知られています。本アルバムに収録されている1958年の演奏では、彼の技術と感性がピークに達しつつある時期を反映しています。
マイルスの魅力は、その音色とミニマリズムにあります。派手なテクニックではなく、一音一音に込められた感情とタイミングで、リスナーの心を揺さぶる力を持っていました。特に「フラン・ダンス」や「ストレイト, ノー・チェイサー」などは、その表現力が最大限に発揮された名演です。
セロニアス・モンク (Thelonious Monk)
独自のスタイルを持つピアニストで、ジャズの中でも異彩を放つ存在。彼の演奏は、時にアヴァンギャルドと評されるほど独特で、「ブルー・モンク」や「クリス・クロス」などの楽曲は今でも多くのアーティストに影響を与え続けています。
本アルバムでのモンクの演奏(1963年)は、彼がアーティストとして確固たる地位を築き、円熟期を迎えた頃のパフォーマンスを収めたものです。「ライト・ブルー」や「エピストロフィ」では、彼のユニークなリズム感とコード進行の妙が光ります。
【アルバムの聴きどころ】
このアルバムは、オリジナル音源に加え、5曲のボーナストラックを収録した全13曲構成。DSDマスタリングによる高音質で、当時のライブの空気感をよりリアルに感じられるのが魅力です。以下、主要曲の特徴を解説します。
ディスク1:マイルス・デイヴィスの演奏
- イントロダクション
ニューポート・ジャズ・フェスティバルの華やかな幕開けを感じさせる一曲。 - ストレイト, ノー・チェイサー
モンクが作曲した名曲をマイルス流にアレンジ。トランペットの流麗なフレーズが耳に心地よい。 - バイ・バイ・ブラックバード(ボーナストラック)
ジャズのスタンダードナンバーを軽快に演奏。マイルスの感情表現の幅広さが際立つ一曲です。
ディスク2:セロニアス・モンクの演奏
- クリス・クロス(ボーナストラック)
軽快なリズムと独特のフレーズが印象的なモンクらしい楽曲。 - ブルー・モンク
モンクの代表曲であり、ブルースを基調とした深い表現力が堪能できます。 - エピストロフィ(ボーナストラック)
リズムの変化とハーモニーの妙が際立つ曲。モンクの創造性が詰まった一曲です。
【アルバムがもたらす癒しの魅力】
本作を聴くと、1950年代から1960年代にかけてのジャズの多様性と深みを存分に味わえます。マイルスの繊細でリリカルな演奏と、モンクのユニークでリズミカルなスタイルが、聴き手に異なる形での癒しと刺激を与えます。DSDリマスターによるクリアな音質も、ライブの臨場感を高め、まるで現場にいるかのような体験を提供してくれるでしょう。
特に、静かな夜やリラックスしたい時間には、このアルバムの持つゆったりとした空気感が心地よく、日常の疲れを忘れさせてくれます。
【まとめ】
「マイルス&モンク・アット・ニューポート+5」は、ジャズ界の巨匠たちが残した貴重なライブ音源と、ボーナストラックによるお得感が詰まった一枚です。1950年代と1960年代、それぞれのジャズシーンを彩った二人の天才の演奏を比較しながら楽しむことができるのも、このアルバムの大きな魅力です。
ジャズ初心者から上級者まで幅広くおすすめできる本作は、現代の音楽シーンにおいても新たな発見と感動を提供してくれるでしょう。ぜひ、あなたもこのアルバムで癒しと刺激を感じてみてはいかがでしょうか?
下記URLはYouTubeにMiles & Monk At Newport [FLAC 24 bit/96 kHz] 1964/2017が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZSmyK_GGs5k&t=10s
これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・