A Night In Tunisia」アート・ブレイキー＆ザ・ジャズ・メッセンジャーズの魅力を紐解く
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
ジャズの時代背景とアート・ブレイキーの位置づけ
1940年代後半から50年代にかけて、ビバップというジャズの新しいスタイルが登場しました。これに続く形で登場したハードバップは、ビバップの複雑なコード進行や即興演奏に、ゴスペルやブルースの要素を融合させたスタイルです。
アート・ブレイキーは、ハードバップを牽引する重要な存在でした。彼のリーダーバンド「ジャズ・メッセンジャーズ」は、新しい才能を発掘し育てる場としても機能し、ウェイン・ショーターやリー・モーガンといった後の大スターを輩出しました。
アルバム紹介：『A Night In Tunisia』とは？
1960年に録音されたアート・ブレイキー＆ザ・ジャズ・メッセンジャーズのアルバム『A Night In Tunisia』は、ジャズの黄金時代を象徴する傑作です。タイトル曲「チュニジアの夜」は、ディジー・ガレスピーによる原曲をさらに進化させた激しい演奏が特徴で、ファンキー・ジャズの頂点ともいえる作品です。
このアルバムは、アート・ブレイキーの力強いドラムに加え、当時の若き天才ミュージシャンたちの情熱と創造性が溢れる一枚。特に、ウェイン・ショーター（テナー・サックス）、リー・モーガン（トランペット）、ボビー・ティモンズ（ピアノ）といった伝説的なメンバーの演奏が光ります。
録音は1960年8月、ニュージャージー州で行われ、ブルーノート・レコードからリリースされました。その迫力と深みは、アナログ盤からデジタル再生まで幅広い形でリスナーを魅了し続けています。
アルバム全体の楽曲紹介
1. チュニジアの夜 (A Night In Tunisia)
アルバムのタイトル曲であり、最も有名な楽曲。ディジー・ガレスピーのオリジナル曲を大胆にアレンジし、アート・ブレイキーのエネルギッシュなドラムが印象的です。冒頭の迫力あるイントロから、メンバーのソロプレイまで、全体を通して緊張感とダイナミズムが感じられる一曲です。
2. シンシアリー・ダイアナ (Sincerely Diana)
ウェイン・ショーターによるオリジナル曲。繊細かつ情熱的なメロディが特徴で、彼の作曲能力の高さが際立つ一曲です。
3. ソー・タイアード (So Tired)
ソウルフルなピアノラインとリズムが印象的な楽曲。聴く人にリラックスした雰囲気を与えつつも、細部まで緻密に計算された演奏が光ります。
4. ヤマ (Yama)
静かなイントロから始まり、中盤に向けて盛り上がる展開が特徴の楽曲。即興演奏の妙技が堪能でき、メンバー間の呼吸の良さが伝わります。
5. 小僧のワルツ (Kozo’s Waltz)
このアルバムの最後を飾る一曲。軽快なワルツリズムに乗せて、メンバーそれぞれの個性が存分に発揮されています。
アート・ブレイキー＆ザ・ジャズ・メッセンジャーズのメンバー紹介
アート・ブレイキー (ドラムス)
バンドリーダーとして、また革新的なドラマーとして知られるアート・ブレイキー。力強いドラミングとリズム感で、バンド全体を牽引しました。彼の音楽は、エネルギーと情熱に満ちています。
リー・モーガン (トランペット)
若き天才トランペッターとして名を馳せたリー・モーガン。彼の奏でる音は、明るく華やかでありながら、深い感情を伝えます。
ウェイン・ショーター (テナーサックス)
後にマイルス・デイヴィス・クインテットに参加するウェイン・ショーター。このアルバムでは作曲家としても優れた才能を発揮しています。
ボビー・ティモンズ (ピアノ)
「モーニン」の作曲者としても知られるボビー・ティモンズは、ゴスペルやブルースの要素をジャズに取り入れることに長けたピアニストです。
ジミー・メリット (ベース)
安定したリズムを支えるベーシスト。柔らかい音色で、バンド全体のバランスを整える役割を果たしました。
『A Night In Tunisia』が与える癒しと感動
『A Night In Tunisia』は、ただ聴くだけで心が踊り、体が音楽に引き込まれる魅力があります。そのダイナミックな演奏と情熱的なアンサンブルは、ジャズ初心者から上級者まで幅広いリスナーを魅了します。さらに、このアルバムには、日常のストレスを吹き飛ばし、リスナーに心の余裕を与える癒しの効果もあります。
まとめ：今こそ聴きたいジャズの金字塔
アート・ブレイキー＆ザ・ジャズ・メッセンジャーズの『A Night In Tunisia』は、時代を超えて愛され続けるジャズの名盤です。そのエネルギッシュで創造的な演奏は、現代においても色褪せることなく、多くの人々に感動を与えています。初心者でも楽しめるわかりやすさと、深く掘り下げるほど新たな発見がある奥深さ。このアルバムは、あなたの音楽コレクションに加えるべき一枚です。
下記URLはYouTubeにArt Blakey & Lee Morgan – 1960 – A Night In Tunisia – 01 A Night In Tunisiaが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=GGo_g62XG-k&list=PLUJ7V33M1wR05mAtI0RkzIqE68u7kOcat
これから、徐々にステレオ録音（1958年前後～）、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・
下記も既に本ブログで先月ご紹介済みの有名なアルバムですねー 併せてどうぞ・・・
『モーニン』：アート・ブレイキー＆ザ・ジャズ・メッセンジャーズが生んだファンキー・ジャズの名盤 – 松藏七代 癒しの情報
