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サキソフォン・コロッサス:ソニー・ロリンズが織りなす至高のジャズ・アルバム

サキソフォン・コロッサス 趣味を通して感じる癒し

ソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』― ジャズの名盤とその魅力を徹底紹介

サキソフォン・コロッサス

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

ソニー・ロリンズとジャズの時代背景

1950年代、モダン・ジャズが花開いた時期に、テナー・サックスの名手として頭角を現したソニー・ロリンズ。ジャズ界の巨人と呼ばれる彼は、ジョン・コルトレーンと並び称される存在であり、その音楽性は、ハード・バップの発展に大きく貢献しました。特に、1956年リリースのアルバム『サキソフォン・コロッサス』は、彼の代表作であり、モダン・ジャズ史において金字塔となる一枚です。このアルバムは、ワン・ホーン・カルテット形式の魅力を余すところなく伝える作品であり、リリースから何十年も経った今なお、ジャズファンに愛され続けています。

ソニー・ロリンズのプロフィール

ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins、本名セオドア・ウォルター・ロリンズ)は、1930年にニューヨークで生まれ、1940年代後半からプロとして活動を開始。彼のテナー・サックスは、深みのあるトーンと自由自在な即興演奏で知られ、特に1950年代から1960年代にかけてのハード・バップ全盛期には、多くの名盤を世に送り出しました。ロリンズの演奏スタイルは、時に豪放でありながらも、緻密さと表現力豊かなフレージングが特徴です。

アルバム『サキソフォン・コロッサス』の概要

『サキソフォン・コロッサス』(Saxophone Colossus)は、1956年6月22日にニュージャージーで録音され、プレスティッジ・レーベルからリリースされました。このアルバムには、ロリンズ自身のオリジナル曲やスタンダード・ナンバーが収録されており、彼のサックスプレイが際立つ5曲が並んでいます。

1. セント・トーマス (St. Thomas)
アルバムの冒頭を飾る「セント・トーマス」は、ソニー・ロリンズの代表的なオリジナル曲です。カリブ海にルーツを持つカリプソのリズムを取り入れたこの曲は、聴く者を瞬時に引き込む軽快なテーマが特徴。ロリンズのテナー・サックスがリードするメロディは、親しみやすく、ジャズ入門者にもおすすめの一曲です。

2. ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ (You Don’t Know What Love Is)
2曲目に収録されたこのスタンダード・バラードは、ロリンズのエモーショナルな演奏が光る名曲です。彼のテナー・サックスは、まるで人の声のように感情豊かに歌い上げ、ジャズの本質ともいえる「歌心」を存分に感じさせます。この曲を聴くと、ロリンズの深い音楽性と技術の高さが如実に伝わってきます。

3. ストロード・ロード (Strode Rode)
アップテンポで進行する「ストロード・ロード」では、ロリンズのリズム感と即興性が際立ちます。バックを務めるトミー・フラナガン(ピアノ)、ダグ・ワトキンス(ベース)、そしてマックス・ローチ(ドラムス)の名演もこの曲の魅力をさらに高めています。

4. モリタート (Moritat)
「モリタート」は、クルト・ヴァイル作曲のミュージカル『三文オペラ』からの一曲。ここでは、ロリンズがこのジャズスタンダードを独自の解釈で吹きこなし、彼のユーモラスで自由な演奏が聴く者を驚かせます。彼のサックスが持つ力強さとしなやかさが存分に発揮された一曲です。

5. ブルー・セヴン (Blue 7)
アルバムの最後を飾る「ブルー・セヴン」は、ブルースの要素を取り入れた印象的な曲で、ソニー・ロリンズのアドリブの真髄が詰まっています。彼のフリーでダイナミックなソロは、時代を超えて今も多くのミュージシャンに影響を与えています。

バンドメンバーの魅力

このアルバムが名盤として語り継がれる理由のひとつに、バックを務めるメンバーの存在があります。トミー・フラナガンの洗練されたピアノ、ダグ・ワトキンスの安定感のあるベース、そしてマックス・ローチの力強くも柔軟なドラムスが、ロリンズのサックスを完璧にサポートし、バンド全体のバランスを保っています。特に、マックス・ローチのドラミングは、ラテンビートやフリーな表現が多彩で、他のメンバーと対話するように展開されるリズムが見事です。

名盤が持つ普遍的な魅力

『サキソフォン・コロッサス』は、1950年代のジャズアルバムとしては異例の人気を誇り、現在に至るまでジャズの教科書的存在とされています。その理由は、収録された各曲が持つメロディのキャッチーさ、ソニー・ロリンズの圧倒的な技量、そして彼の音楽に込められた情熱にあります。特に「セント・トーマス」のような一度聴いただけで耳に残る名曲があることで、アルバム全体が長く記憶に刻まれるのです。

まとめ

『サキソフォン・コロッサス』は、ジャズ史上に残る最高のアルバムのひとつであり、ソニー・ロリンズの偉大な音楽的功績を象徴する作品です。彼のテナー・サックスの表現力と、それを支える豪華なメンバーの共演によって生み出されたこのアルバムは、ジャズ初心者から上級者まで、幅広い層に愛され続けています。

下記URLはYouTubeにSONNY ROLLINS  Saxophone Colossus (Full Album)が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=4Ux9GHeXDR4&t=30s

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

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