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キャノンボール・アダレイ『In San Francisco』|ファンキー・ジャズの傑作ライヴ盤を徹底解説

キャノンボール・アダレイ・イン・サンフランシスコ 趣味を通して感じる癒し

キャノンボール・アダレイ『In San Francisco』— ファンキー・ジャズの頂点に立つ歴史的ライヴ盤

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

キャノンボール・アダレイ『In San Francisco』— ファンキー・ジャズの歴史的ライヴ盤を徹底解説

1950年代のジャズシーンと『In San Francisco』が生まれた背景

ハードバップからソウル・ジャズへの進化

1950年代後半、ジャズはさらなる進化を遂げていました。1940年代に誕生したビバップは、スピード感のある複雑なアドリブを特徴とし、多くのミュージシャンに影響を与えました。そのビバップが発展したハードバップは、よりブルースやゴスペルの要素を取り入れ、感情豊かで聴きやすいサウンドへと変化しました。

この流れの中で登場したのが、さらに泥臭くファンキーなソウル・ジャズです。キャノンボール・アダレイはこのジャンルの代表的なプレイヤーであり、『In San Francisco』はまさにソウル・ジャズの決定版ともいえるライヴ・アルバムでした。

キャノンボール・アダレイとは?— ファンキー・アルトの巨人

ジャズ界を代表するアルトサックス奏者

キャノンボール・アダレイ(Julian “Cannonball” Adderley, 1928-1975)は、パワフルでソウルフルなプレイが特徴のアルトサックス奏者です。彼の音楽は、モダンジャズの中でも特に親しみやすく、躍動感あふれるスタイルで知られています。

・フロリダ出身で、大学では音楽教師をしていた経歴を持つ
・1955年にニューヨークへ移り、プロとして本格的に活動を開始
・マイルス・デイヴィスのバンドに参加し、『Kind of Blue』にも参加
・その後、自身のクインテットを結成し、ソウル・ジャズを確立

本作『In San Francisco』は、彼のクインテットが世界的に注目されるきっかけとなったアルバムであり、ファンキー・ジャズの代表作とされています。

『In San Francisco』の魅力と収録曲を徹底解説

キャノンボール・アダレイ・イン・サンフランシスコ

ライブ録音ならではの熱気とグルーヴ

本作は、1959年10月18日と20日にサンフランシスコのジャズ・ワークショップで行われたライヴ録音です。スタジオ録音とは異なり、観客のリアクションやバンドの即興的なやり取りがリアルに感じられるのが特徴です。

メンバー構成も最強で、兄ナット・アダレイのコルネット、ボビー・ティモンズのピアノ、サム・ジョーンズのベース、ルイ・ヘイズのドラムが、キャノンボールのサックスと絶妙なアンサンブルを生み出しています。

収録曲解説

1. ジス・ヒア(This Here)
ボビー・ティモンズ作曲の名曲で、ソウル・ジャズの代名詞的な楽曲です。ティモンズのゴスペル的なピアノリフが印象的で、聴くだけで楽しくなるような陽気なグルーヴが魅力です。

2. スポンテニアス・コンバスション(Spontaneous Combustion)
キャノンボールのオリジナル曲。タイトルの通り、即興的でエネルギッシュな演奏が炸裂する楽曲。サックスとコルネットの掛け合いが見どころです。

3. ハイ・フライ(Hi-Fly)
ランディ・ウェストン作曲の楽曲。キャノンボールの流麗なフレージングと、ナット・アダレイの流れるようなコルネット・ソロが楽しめます。

4. ユー・ガット・イット!(You Got It!)
キャノンボールのオリジナル曲。タイトルの通り、「お前は持ってる!」と言わんばかりの自信に満ちた演奏。リズム隊のグルーヴが際立ちます。

5. ボヘミア・アフター・ダーク(Bohemia After Dark)
キャノンボールが1950年代初期に演奏していた楽曲の再演。洗練されたアレンジと圧倒的な演奏力が光るトラックです。

6. ストレイト、ノー・チェイサー(Straight, No Chaser)[CDボーナストラック]
セロニアス・モンクの名曲。キャノンボール流にアレンジされ、スウィング感が際立っています。

『In San Francisco』はなぜ名盤なのか?

このアルバムの魅力は、以下の3つのポイントに集約されます。

1. ジャズ・ライヴ盤の最高峰
スタジオ録音では出せない、熱気あふれる演奏が詰まっています。観客の反応も相まって、まるでライブ会場にいるような感覚を味わえます。

2. ファンキー・ジャズの決定版
「This Here」や「Spontaneous Combustion」など、ソウル・ジャズの象徴的な楽曲を収録。ゴスペルやブルースの影響を感じさせるファンキーなサウンドが魅力です。

3. バンドメンバーの完璧なアンサンブル
キャノンボール・アダレイを中心に、ナット・アダレイ、ボビー・ティモンズ、サム・ジョーンズ、ルイ・ヘイズという鉄壁の布陣が、スリリングなインタープレイを繰り広げています。

まとめ:キャノンボール・アダレイ『In San Francisco』は必聴のジャズ・ライヴ盤

・ファンキー・ジャズを代表する作品
・熱気あふれるライヴ演奏が魅力
・キャノンボール・アダレイの代表作

ジャズの楽しさを存分に味わえるアルバム『In San Francisco』。この歴史的ライヴ盤を聴きながら、ジャズの醍醐味を体感してみてください!

下記URLはYouTubeにThis Here (Live)が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=es8kM8FU6eU&list=PLEyxWPyoryRJQfEbcHCPzVjMOllzBDwIr

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

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