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エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロングの名デュエット|『Cheek to Cheek』で贅沢なジャズの共演を楽しむ

Ella & Louis Ella Fitzgerald & Louis Armstrong 趣味を通して感じる癒し

ジャズの巨人たちが紡ぐ極上のデュエット|『Cheek to Cheek』エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロングを徹底解説

Ella & Louis Ella Fitzgerald & Louis Armstrong

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

アルバム紹介

『Cheek to Cheek』は、ジャズヴォーカル界の伝説的アーティスト、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)とルイ・アームストロング(Louis Armstrong)が共演した、1956年録音の名盤です。

このアルバムは、エラの軽やかで澄んだ歌声と、ルイの深みのある独特な歌唱とトランペットが、完璧な調和を奏でる作品です。さらに、オスカー・ピーターソン・トリオに、伝説的ドラマーバディ・リッチ(Buddy Rich)が加わった豪華なバックバンドによる演奏が、このデュエットをさらに引き立てています。

ジャズの時代背景

1950年代半ば、ジャズは既にアメリカ文化の中心に位置していました。スウィング時代を経て、ビバップやクールジャズといった新しいスタイルが登場し、ジャズはますます多様化していました。

エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングは、ジャズの歴史における異なるスタイルを体現しつつ、互いに補完し合う理想的なパートナーでした。

エラ・フィッツジェラルドは、ジャズヴォーカルの「ファースト・レディ」として、スキャットシンギングを駆使し、圧倒的な技術と表現力でジャズ界を牽引していました。

一方、ルイ・アームストロングは、「ジャズの王様」として、トランペッター兼シンガーとしてその存在感を放ち、ジャズの根幹にあるスウィング感と情熱を具現化する人物でした。

このアルバムは、ジャズの黄金期ともいえる1950年代を代表する一枚であり、2人の異なる魅力が見事に融合しています。

ノーマン・グランツのプロデュースによって実現したこのデュエットは、ジャズファンのみならず、多くの音楽ファンを虜にしています。

アーティスト紹介

エラ・フィッツジェラルド(1917-1996)は、ジャズヴォーカルの第一人者で、そのクリアで広い音域と技術は他に類を見ません。

彼女は1930年代にキャリアをスタートし、特にヴァーヴ・レコード時代に録音された数多くのアルバムで、彼女の実力は頂点に達しました。

スウィングからビバップまで、彼女はどのスタイルでも一流のパフォーマンスを披露し、ジャズスタンダードを新しい次元に引き上げました。

一方、ルイ・アームストロング(1901-1971)は、ニューオーリンズで生まれ、ジャズの基礎を築いたアーティストの一人です。

彼のトランペットの技術とユニークな歌唱スタイルは、ジャズをアメリカ文化の象徴的な音楽ジャンルに押し上げる大きな要因となりました。

彼の笑顔と温かいパフォーマンスは、多くのリスナーを惹きつけ、時代を超えて愛されています。

アルバム内容紹介

『Cheek to Cheek』には、スタンダードナンバーがふんだんに収録されており、エラとルイの息の合ったデュエットが楽しめます。全曲がモノラル録音で、当時の温かみのあるサウンドが特徴です。

バックを務めるオスカー・ピーターソン・トリオとバディ・リッチの演奏は、シンプルでありながらも2人のヴォーカルを完璧にサポートし、リスナーに深い感動を与えます。

1. お友達になれない? (Can’t We Be Friends?)
エラとルイの軽快な掛け合いが楽しいオープニングトラック。シンプルなメロディながら、2人の声のコントラストが際立ち、聴く者をすぐに引き込みます。

2. イズント・ジス・ア・ラヴリー・デイ (Isn’t This a Lovely Day?)
穏やかなテンポで進行するこの曲では、エラの柔らかなヴォーカルとルイのハスキーな声が絶妙にマッチしています。バックのピーターソン・トリオの演奏もリラックスした雰囲気を作り出しています。

3. ヴァーモントの月 (Moonlight in Vermont)
美しいメロディを持つバラードで、エラとルイが静かに感情を込めて歌い上げます。ルイのトランペットソロもこの曲の大きな魅力です。

4. 誰も奪えぬこの思い (‘S Wonderful)
ガーシュウィンのスタンダード曲で、エラの軽快な歌声とルイの独特なヴォーカルが楽しく絡み合います。この曲では、彼らの声の掛け合いの妙が光ります。

5. 青空の下で (Blue Skies)
エラの抜群のリズム感とルイののびやかな歌声が心地よく響く、明るいアップテンポのナンバーです。

6. テンダリー (Tenderly)
エラの甘く切ないヴォーカルが際立つこのバラードでは、ルイのトランペットがそっと支えるように演奏されています。心に残る美しい演奏です。

7. 霧深き日 (Foggy Day)
エラの流れるようなスキャットと、ルイの深みのある声が交互に展開される、都会的なナンバーです。

8. アラバマに星落ちて (Stars Fell on Alabama)
ロマンチックなムード漂うバラードで、2人の穏やかなデュエットがリスナーを包み込むように響きます。

9. チーク・トゥ・チーク (Cheek to Cheek)
タイトル曲でもあるこの曲は、2人の歌声が軽やかに重なり合い、スウィング感溢れるダンスナンバーとして知られています。バンドのスイングするリズムが曲全体を盛り上げます。

10. あなたのそばに (Nearness of You)
このバラードでは、2人の深い感情表現が見事に融合しています。彼らのシンプルでありながら感動的なデュエットは、永遠に色褪せません。

11. エイプリル・イン・パリ (April in Paris)
ジャズスタンダードの名曲で、エラとルイのやりとりが美しく、アルバムの最後を感動的に締めくくります。

まとめ

『Cheek to Cheek』は、ジャズの黄金時代を象徴する二人の巨匠、エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングによる極上のデュエットアルバムです。彼らの豊かな表現力とユーモア溢れるやり取りは、聴くたびに新たな発見と喜びを与えてくれます。

バックバンドを務めるオスカー・ピーターソン・トリオとバディ・リッチのリズムセクションが、このアルバムの完成度をさらに高め、リスナーに心地よい癒しと楽しさを届けています。ジャズ初心者からコアなファンまで、全てのリスナーにおすすめできる一枚です。

下記URLはYouTubeにCan’t We Be Friends?が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=Vh7oIP-QSHs&list=PLL-NbN8uTOijqTJxQ9BMFcDe7UiWDMVwc

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

下記は関連記事になります。見て頂ければ幸いです。

Jazzレコード:モノラル録音からステレオ録音の歴史と再生原理 – 松藏七代 癒しの情報

 

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