時代を超えて愛される名盤『Ella and Louis Again』—エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングの奇跡の共演
最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。
ジャズ黄金期の時代背景と『Ella and Louis Again』
1950年代は、ジャズがアメリカ文化の象徴として世界に広がり、スウィングからビバップ、そしてクールジャズへと進化した黄金期でした。
その中でもエラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングはジャズを語る上で欠かせない存在。彼らは、それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながら、共にジャズの多様性と深みを体現したアーティストです。
『Ella and Louis Again』は、1956年にリリースされた大ヒット作『Ella and Louis』に続く第2弾アルバムとして、1957年に制作されました。
本作は、ヴァーヴ・レコードの創設者ノーマン・グランツのプロデュースにより生まれた、ジャズの魅力が凝縮された作品です。オスカー・ピーターソン・トリオの完璧な演奏が二人の歌声を引き立て、聴く者を魅了します。
アーティスト紹介
エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)
「ジャズのファーストレディ」と称されるエラは、1930年代にチック・ウェブ楽団で活躍を始め、その卓越したスキャット技術と暖かみのある声で瞬く間にトップシンガーの座を確立しました。ヴァーヴ時代には、「作曲家ソングブックシリーズ」でスタンダードナンバーを再定義し、ジャズヴォーカルの新たな地平を切り開きました。
ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)
「サッチモ」の愛称で親しまれるルイは、トランペット奏者としてジャズをメインストリームに押し上げた第一人者。ニューオリンズ出身の彼は、スウィング時代の礎を築くとともに、温かみのあるボーカルでも人気を博しました。彼の代表曲「What a Wonderful World」は、今なお多くの人々に愛されています。
『Ella and Louis Again』アルバム内容紹介
このアルバムは、1957年8月13日と23日にロサンゼルスで録音され、計19曲が収録されています。二人のボーカルはまるで会話をするかのように交わり、リスナーに心地よい癒しを与えます。
主な収録曲と聴きどころ
「その手はないよ(Don’t Be That Way)」
軽快なリズムに乗せて、二人の息の合ったハーモニーが楽しめる一曲。
「オータム・イン・ニューヨーク」
秋のニューヨークを情感たっぷりに歌い上げた名演。エラの繊細な表現力が光ります。
「サヴォイでストンプ(Stompin’ at the Savoy)」
ピーターソン・トリオのスウィング感が際立つ楽曲。ルイのトランペットも聴き逃せません。
「アイム・プッティン・オール・マイ・エッグズ・イン・ワン・バスケット」
明るく弾むリズムに、エラとルイの掛け合いが抜群の化学反応を生み出します。
特に、収録曲「A Fine Romance」では、ルイの温かみあるトランペットソロとエラのしなやかな歌声が交錯し、ジャズならではの即興性と親しみやすさが際立っています。
演奏陣の紹介
本作では、ジャズ界を代表する演奏家たちがバックを務めています。
オスカー・ピーターソン(ピアノ)
ジャズピアノの巨匠であり、テクニックとスウィング感を兼ね備えたプレイが特徴。
ハーブ・エリス(ギター)
温かみのあるコードワークとリズム感でサウンドを彩ります。
レイ・ブラウン(ベース)
しっかりとしたリズムを支える演奏は、本作でも存在感抜群。
ルイ・ベルソン(ドラム)
スウィング感とダイナミズムを兼ね備えたプレイが楽曲を盛り上げます。
このアルバムが与える癒しの魅力
『Ella and Louis Again』は、単なる音楽以上の価値を持つ作品です。二人の暖かな歌声と卓越した演奏が織りなすサウンドは、聴く者の心を穏やかに包み込みます。落ち込んだ時や一息つきたい時、このアルバムは癒しのひとときを提供してくれるでしょう。
最後に
ジャズの歴史を彩る一枚、『Ella and Louis Again』。このアルバムを通じて、エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングが織りなす音楽の魔法をぜひ感じてください。
ジャズ初心者からコアなファンまで楽しめる普遍的な名盤です!
下記URLはYouTubeにLove Is Here To Stayが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=etWKLj28zIM
これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・