ウィントン・ケリー『Kelly at Midnight』|ピアノ・トリオが奏でる癒しと躍動の名盤【1960年録音】
心をほどき、穏やかな時間を与えてくれる音楽。それがジャズの魔法のひとつです。
今回は、そんな癒しのジャズアルバムとして、ウィントン・ケリーが1960年に録音したピアノトリオ作品『Kelly at Midnight』を紹介します。
ウィントン・ケリーの「コロコロと転がるようなスイング感」は、忙しい現代人の心を柔らかくほぐしてくれることでしょう。
このアルバムが、あなたの生活に「癒し」と「高揚感」をもたらす一枚になることを願って。
『Kelly at Midnight』とは?
録音データ
・録音日:1960年4月27日
・録音場所:ニューヨーク
・演奏者:ウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)
この盤は、ウィントン・ケリー・トリオの黄金期に生まれた作品であり、彼の魅力が最も凝縮された1枚です。
特に、ピアノ・トリオによるハードバップ・ジャズの理想形ともいえる演奏が楽しめます。
曲目リスト
テンパランス (Temperance)
ウィアード・ララバイ (Weird Lullaby)
オン・ステージ (On Stage)
スケーティン (Skatin’)
ポット・ラック (Pot Luck)
5曲というコンパクトな構成ながら、1曲ごとに鮮やかな個性と濃密なスイング感が刻まれています。収録時間は33分弱と短めですが、リスニング体験は非常に濃厚です。
JAZZの時代背景 ~1960年のジャズシーン~
1960年のジャズ界は、ハードバップ全盛期。
モダンジャズの成熟とともに、個性的なスタイルを持つプレイヤーたちがシーンを牽引していました。
- マイルス・デイヴィス・クインテットが進化を続け
- ジョン・コルトレーンが「ジャイアント・ステップス」で新たな地平を開き
- ブルーノート、リバーサイド、ヴィー・ジェイなど名門レーベルが熱いセッションを量産
そんな中、ウィントン・ケリーはマイルスのバンドで活躍しつつ、自身のトリオでも軽やかで親しみやすいハードバップを表現し、多くのリスナーに愛されました。
アーティスト紹介:ウィントン・ケリー
ウィントン・ケリー(Wynton Kelly, 1931-1971)は、ジャズピアニストとして一線で活躍した天才です。
彼のプレイの特徴は、次のように語られます。
- ポジティブなスイング感
- 転がるような軽快なフレージング
- 独特な「揺らぎ」と陰影を持つタッチ
彼のピアノは、リスナーに無理なく身体を揺らさせる自然な魅力を持っています。
また、ケリーはマイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』でも名演を残しており、時代を代表する「サイドマン」でありながらリーダー作も素晴らしいという稀有な存在です。
アルバム全曲解説
テンパランス (Temperance)
冒頭から、楽しく弾むピアノに心が踊ります。
イントロのユニゾンはハードバップの醍醐味。リズムセクションとの緊密なコンビネーションは完璧です。
ケリーの「タメ」の効いた独特のスイングが炸裂し、聴くだけで元気になれる1曲。
ウィアード・ララバイ (Weird Lullaby)
詩情溢れるメロディラインが美しく描かれるナンバー。
甘くほろ苦い夜の子守歌のような響きに、心がじんわり温まる。ケリーの優しいタッチが光る名演。
オン・ステージ (On Stage)
フィリー・ジョー・ジョーンズの力強いスネアワークがドライブ感を生み、ポール・チェンバースのベースがどっしりとビートを支える中、ケリーはスイングしながら自由に飛び跳ねます。
スケーティン (Skatin’)
タイトル通り、スケートリンクを滑るような滑らかなスイング感がたまらないナンバー。
リズムセクションとの会話が生き生きしていて、リスナーをリズムの世界にスイスイと誘います。
ポット・ラック (Pot Luck)
セッションの楽しさそのままを閉じ込めたような、生き生きとした演奏が炸裂。
短いながらも印象に残るエンディングで、アルバム全体を華やかに締めくくります。
まとめ:『Kelly at Midnight』がもたらす癒し
『Kelly at Midnight』は、ライブのような躍動感と、深いリラックス感を兼ね備えたスタジオ録音盤です。
ピアノ・トリオによる「三位一体」の極上の演奏は、聴き手に「心から音楽を楽しむこと」を思い出させてくれるでしょう。
✔ 忙しい毎日の合間に
✔ 夜寝る前のリラックスタイムに
✔ 静かにコーヒーを楽しむ午後に
どんなシーンにも寄り添い、癒しを与えてくれる一枚です。
下記URLはYouTubeに
Wynton Kelly × Kelly At Midniteが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=1yX25QkNNP8
これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・
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