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【癒しのジャズ名盤】アート・ペッパー『ゲッティン・トゥゲザー』|60年代モダンジャズの光と影を味わう至福の一枚

ゲッティン・トゥゲザー アート・ペッパー 趣味を通して感じる癒し

アート・ペッパー『ゲッティン・トゥゲザー』|癒しと再起を吹き込んだ1960年モダン・ジャズの名盤

アート・ペッパー『ゲッティン・トゥゲザー』とは?

1960年2月29日、ロサンゼルスにて録音された本作『Getting’ Together(ゲッティン・トゥゲザー)』は、アルトサックスの名手アート・ペッパーが、当時マイルス・デイヴィス・クインテットで活躍していた黄金のリズムセクションと共演した一枚です。

収録メンバーは以下の通り:

  • アート・ペッパー(as, ts)

  • コンテ・カンドリ(tp)

  • ウィントン・ケリー(p)

  • ポール・チェンバース(b)

  • ジミー・コブ(ds)

本作は、1957年に録音された『Meets the Rhythm Section』の続編的な作品として位置づけられることが多く、ペッパーのキャリアにおいても重要なターニングポイントとなるアルバムです。

🎷ジャズの時代背景|1960年とはどんな時代だったか

1960年代初頭のジャズは、「ハード・バップ」から「モード・ジャズ」への移行期でした。マイルス・デイヴィスが『カインド・オブ・ブルー』を発表したのが1959年。その翌年に録音された本作には、まだハード・バップのスウィング感が濃厚に残っており、直線的でありながらも流麗なアドリブが随所に展開されています。

また、この時代は多くのジャズミュージシャンが薬物問題や精神的苦悩を抱えていた時期でもありました。アート・ペッパーもその例外ではなく、何度も服役を経験しながら、音楽活動を続けていました。

🎨アーティスト紹介:アート・ペッパーとは?

アート・ペッパー(Art Pepper, 1925–1982)は、カリフォルニア生まれの白人ジャズ・アルトサックス奏者。西海岸ジャズ、いわゆる「クール・ジャズ」シーンの中核を担った一方、バップやハード・バップ的な要素も取り入れた、独自のフレーズとエモーショナルな音色が特徴です。

薬物依存により何度も活動を中断しながらも、復帰のたびに傑作を生み出すという異色のキャリアを持ち、本作もそうした「再起」の時期に録音された作品です。

ゲッティン・トゥゲザー アート・ペッパー

🎵収録曲解説と聴きどころ

1. Whims of Chambers
ポール・チェンバースの名を冠した楽曲で、彼のリーダー作からのカバー。軽快なテンポとスウィング感が抜群で、ペッパーの柔らかな音色とカンドリのトランペットが心地よい掛け合いを見せます。

2. Bijou the Poodle
コミカルなタイトルに反して、内容はしっかりと構成されたバップ・ナンバー。ケリーのピアノソロが鮮やかで、ペッパーのスピード感あるフレージングが光ります。

3. Why Are We Afraid?
内省的なメロディが印象的な1曲。ペッパーの音色がとても繊細で、聴く者の心に優しく響きます。

4. Softly, As in a Morning Sunrise(朝日のようにさわやかに)
スタンダードとして知られるこの曲での演奏は、このアルバムでも屈指の名演。冒頭から終始、緊張感とリラックス感が絶妙に共存し、リズムセクションとの完璧な調和が感じられます。

5. Rhythm-a-Ning
セロニアス・モンクの名曲を大胆にカバー。複雑なリズムに乗せたペッパーの奔放なアドリブは、このアルバム中もっともアグレッシブな瞬間のひとつ。

6. Diane
バラード調の曲で、ペッパーのロマンチックな一面が際立つ一曲。彼の情緒的な表現力が聴く者の心に染み渡ります。

7. Gettin’ Together
タイトル・トラック。演奏陣全体が一体となった、まさに“集結”を象徴するナンバー。アンサンブルの美しさとソロパートのバランスが見事です。

📀評価と批判のはざまで

本作は「名作『Meets the Rhythm Section』の続編」という触れ込みもあって、当時はやや期待が先行しすぎたきらいがあります。実際、インスピレーションの飛躍がやや乏しいとする批判的な意見も存在します。

しかし、再聴してみると、リズムセクションとペッパーの化学反応は十分に感じられます。とりわけバラードやミディアムテンポのナンバーでは、彼の音色の美しさとリズム隊のスウィング感が高い次元で融合しています。

🧘趣味・癒しとしてのジャズ

趣味としてジャズを楽しむとき、このアルバムのように肩ひじ張らず、それでいて高品質な演奏を聴ける作品はとても貴重です。特に夜の読書時間、休日のカフェタイム、または仕事のBGMとして流すのにもぴったり。

アート・ペッパーのサックスは、激しい人生をくぐり抜けた彼ならではの哀愁と温かさを帯びており、私たちの日常にも深い癒しをもたらしてくれます。

まとめ|『ゲッティン・トゥゲザー』を聴く価値

アート・ペッパー『ゲッティン・トゥゲザー』は、音楽としての完成度、歴史的背景、そして演奏者たちの人間ドラマが交差する、聴き応えのある作品です。

完璧でないからこそ、そこにリアルな人間味があり、心の奥底に響くジャズの魅力が詰まっています。癒しと再起を感じさせてくれる珠玉の一枚として、ぜひ趣味のジャズリスニングに加えてみてください。

下記URLはYouTubeにWhims Of Chambersが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=y-S_KIGG1qg&list=PLyqAz2idXOaUfCoKnqcYjVWikqQo9MVJ6

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

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アート・ペッパー Art Pepper Meets The Rhythm Section


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