『ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ』:ジャズ黄金期に輝くサド・ジョーンズのトランペットを味わう
サド・ジョーンズとは?ビッグバンドの天才トランペッター
サド・ジョーンズ(Thad Jones)は、20世紀中盤のジャズシーンにおいて、特にビッグバンドでの活躍で知られるアメリカのトランペッター、作編曲家です。1930年代から40年代にかけてのスウィング時代に影響を受け、彼は1950年代から活発に活動を始めました。カウント・ベイシー楽団での功績が広く認められ、彼の繊細かつダイナミックなトランペットの音色は、多くのファンや評論家から絶賛されました。
サド・ジョーンズは、後に兄弟であるハンク・ジョーンズ(ピアニスト)やエルヴィン・ジョーンズ(ドラマー)と共に、多くの名作を世に送り出し、ジャズ界に大きな影響を与えました。
『ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ』アルバムの魅力と収録曲
『ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ』は、サド・ジョーンズの代表作であり、1956年に録音されたこのアルバムは、トランペットの魅力を余すところなく引き出した名盤です。本作は、モダンジャズの巨匠たちとのコラボレーションが特徴で、特に「パリの四月(April in Paris)」は、その不朽の名演として今も語り継がれています。スイングジャーナル誌選定ゴールドディスク
収録曲一覧:
パリの四月 (April in Paris) (MONO)
ビリー・ドゥー (Billie-Doo) (MONO)
イフ・アイ・ラヴ・アゲイン (If I Love Again) (MONO)
イフ・サムワン・ハッド・トールド・ミー (If Someone Had Told Me) (MONO)
シーディア (S’posin) (MONO)
アイヴ・ガット・ア・クラッシュ・オン・ユー (I’ve Got a Crush on You) (MONO)
サムシング・トゥ・リメンバー・ユー・バイ (Something to Remember You By) (MONO)
「ビリー・ドゥー」や「シーディア」といった楽曲も、モダンジャズのエッセンスが詰まっており、サド・ジョーンズの持つ抒情的なフレージングと独自のアプローチが光ります。
1950年代のジャズ黄金期:時代背景と録音エピソード
1950年代は、ジャズがモダンジャズへと進化を遂げた時代であり、サド・ジョーンズが活躍した背景には、ビバップやクールジャズといったスタイルの台頭がありました。彼は、ブルーノートレーベルにおいても重要な役割を果たし、1956年7月14日にニュージャージーで録音されたこのアルバムでは、パーシー・ヒース(ベース)、マックス・ローチ(ドラムス)、ビリー・ミッチェル(テナーサックス)、バリー・ハリス(ピアノ)といった名だたるミュージシャンたちが共演しています。
さらに、7月9日に録音された「アイヴ・ガット・ア・クラッシュ・オン・ユー」では、ケニー・バレル(ギター)、トミー・フラナガン(ピアノ)、エディ・ジョーンズ(ベース)、そしてエルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)も参加しており、このセッションの豊かさがアルバム全体に色濃く反映されています。
最新リマスター版で蘇るブルーノートの名盤
2024年には、最新リマスター版がリリースされ、音質がさらに向上しています。ケヴィン・グレイによるリマスターは、オリジナルマスターテープの音を可能な限り忠実に再現し、ジャズファンにとっても必聴の作品となっています。限定盤としてリリースされるこのバージョンは、ジャズの歴史的価値を保ちながら、現代のリスニング環境に最適化されています。
ジャズファン必見!サド・ジョーンズが残した遺産とは
サド・ジョーンズの影響は、ビッグバンドやモダンジャズに限らず、彼の後のジャズシーン全体に広がっています。彼のトランペットは、単なる技術的な巧さを超えて、リスナーに深い感動を与えるものであり、彼の音楽は時代を超えて愛され続けています。『ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ』は、彼の音楽的な才能を象徴する作品であり、ジャズを深く知る上で欠かせないアルバムです。
下記URLはYouTubeにApril In Paris が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=GHTPX3MmdMc&list=PLdWvQFeRzarCgBKfIzfr-oZBbawwgO2SX