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【水彩画124作目】朱塗りの絶景!平戸大橋を描く旅|「長崎のGGブリッジ」の歴史と1977年開通前の貴重なフェリー写真を巡る

平戸大橋 自然の中で感じる癒し

【水彩画124作目】朱塗りの絶景!平戸大橋を描く旅

はじめに:三度目の挑戦、長崎の「ゴールデン・ゲート・ブリッジ」

Makuro11.comをご覧いただき、ありがとうございます。この度、私にとって124作目となる水彩画が完成いたしました。テーマは、長崎県本土と平戸島を結ぶ朱色のシンボル、平戸大橋です。

アメリカ・サンフランシスコの雄大なゴールデン・ゲート・ブリッジ(金門橋)を彷彿とさせるその姿から、「長崎のゴールデン・ゲート・ブリッジ」とも称されるこの橋は、水彩画のモチーフとして非常に魅力的であり、過去にMakuro7.comブログで43作目、本ブログの107作目と、視点を変えて二度挑んできたテーマでもあります。

今回は、2024年8月15日に撮影した写真を基に、橋をメインに捉えた3作目としてF10サイズで描き上げました。鮮やかな朱塗りのトラス吊橋が、青い海と空、そして緑の島影に映える絶景を表現しようと筆を進めましたが、残念ながら今回も、橋の持つ「朱色」の力強さと美しさを完全に再現するには至りませんでした。

芸術とは常に終わりなき探求であり、この「朱」への飽くなき挑戦は、私のライフワークとなりそうです。

本記事では、この124作目の制作記録とともに、平戸大橋の持つ歴史的な背景、そして今回偶然発見された開通前の貴重な写真の数々から、この地の歴史と文化に深く切り込んでいきたいと思います。

🎨 124作目の作品名

朱色の記憶と歴史を辿る「平戸大橋」(長崎のゴールデン・ゲート・ブリッジ)F10水彩画

平戸大橋

47年前のタイムカプセル:1977年開通前後の平戸を再発見

今回の作品をアップするにあたり、参考資料として過去の平戸大橋関連の写真を整理していたところ、驚くべき「タイムカプセル」を発見しました。それが、1977年(昭和52年)の平戸大橋開通前後に撮影された写真群です。

下記の1997 平戸に写る当時の平戸大橋は、私が描いた水彩画とほとんど同じアングルで、朱色の橋が完成した直後の凛とした姿を伝えています。

そして何より貴重なのが、橋ができる前、本土と平戸島を結ぶ唯一の手段だった連絡フェリーの姿を捉えた写真(1997 平戸-連絡フェリー2枚)です。

1997 平戸に写る開通当時の平戸大橋

1997 平戸-平戸口 連絡フェリーうずしお

1997 平戸-平戸口 連絡フェリーぶるっふ

写真に写る白い船体には「フェリーうずしお」や「ぶるっふ」などの文字が見え、人々が窓際に座って海を渡る穏やかな光景が広がっています。その背景には、青い海と緑の丘、そして白く輝く平戸城の姿が遠望されます。橋のなかった時代、この船たちが、人や物資の輸送を担い、平戸の生活を支えていたのです。

このフェリーと平戸城を望むアングルは、まさに現在の平戸大橋の風景に置き換わるものであり、作品を描くうえで意図せずとも、橋が架かる以前の風景と後の風景が時を超えて重なるという、不思議な感動を覚えました。

当時のフェリー運行会社 平戸口運輸 株式会社徳信 -wikipedia

平戸大橋の壮絶な歴史:「うどん3杯分の料金」から無料化へ

平戸大橋は、1977年4月4日に有料道路として開通しました。建設には4年の歳月と56億円の巨費が投じられ、全長665m、主塔間465.4mのトラス吊橋構造は、当時の土木技術の結晶でした(出典:平戸市観光情報)。

この橋の歴史を語る上で、外せないのが開通時の通行料金です。当時の普通車の片道料金は700円でした。

ここで、当時の物価と比較してみましょう。(参考URL:戦後昭和史 価格推移より)

1977年(昭和52年)のうどん・そば一杯の平均価格:約230円
大瓶ビール:195円
当時のJR・地下鉄初乗り料金:80円

つまり、平戸大橋を一度渡るために、当時の感覚でうどん約3杯分の料金が必要だったのです。現代の感覚で言えば、非常に高額であり、当時の島民にとってこの橋の利用がどれほど大きな経済的負担であったかが想像できます。これは、本土と離島を隔てる距離と、建設費用回収という大義のための、やむを得ない措置でした。

下記が当時価格の参考になったURLになります。

戦後昭和史 価格推移

戦後昭和史 出来事年表

しかし、時を経て、平戸大橋は地域の発展とともにその役割を変えていきます。

  • 1996年~2010年:維持管理有料制度に移行し、普通車料金は100円に大幅値下げされました(通称「100円橋」)。

  • 2010年4月1日:生月大橋とともに通行料が完全無料化

無料化は、平戸島が本土と一体化した経済圏として発展する上で決定的な転機となりました。観光客は気軽に橋を渡れるようになり、地域経済の活性化に大きく貢献しています。この朱色の橋は、単なるインフラではなく、平戸の歴史と生活、そして未来への希望を繋ぐ象徴なのです。

芸術的な探求:異なる視点で描く平戸大橋の魅力

今回の124作目は、平戸大橋を描く上で3作目となります。過去の作品と比較することで、この橋の多様な魅力を再発見できます。

① 43作目:橋の雄大さと周辺公園

makuro7.comでアップしていた43作目は、平戸大橋の構造的な美しさと、洋風庭園や遊具広場が整備された橋の下の公園を俯瞰的に捉えた作品でした。休日の利用者が多いという地の利を活かし、観光の拠点としての橋の役割を描きました。

② 107作目:夏の南風、キリシタンの記憶を辿る

makuro11.comで公開した107作目では、大野町側、つまり南方向から望む夏の平戸大橋に焦点を当てました。このアングルは、橋の優美なアーチが空と海に奥行きを与え、さらに近くに宝亀教会(潜伏キリシタン関連遺産)もそびえる、歴史と絶景が交差する特別な場所です。

平戸大橋

作品制作では、構図の決定や色使いの工夫(空のグラデーション、海面の動き)に注力しましたが、「手前の緑が失敗した」と述べているように、自然光の変化を捉える水彩画の難しさを痛感した作品でもあります。

③ 124作目:定番の絶景と「朱」への挑戦

そして今回の124作目は、最も有名な「長崎のゴールデン・ゲート・ブリッジ」たるアングルをF10サイズに収めました。手前の道と柵、そして豊かな緑を配置し、赤と緑のコントラストを際立たせる構図です。

朱色への再挑戦は、単に絵の具を塗る行為ではなく、橋が持つ歴史の重みや、開通当時の人々の思い、そして無料化による解放感といった「物語」を色に込める作業です。満足のいく色再現は次回への課題となりましたが、この絶景と歴史の層の厚さは、何度でも筆を執りたくなる、尽きることのないモチーフです。

平戸の背景にある物語:絶景の先に広がる世界遺産の島

平戸大橋が結ぶ平戸島は、単に美しい景勝地であるだけでなく、日本の歴史において極めて重要な役割を果たしてきました。

  • 潜伏キリシタンの地: 平戸は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一部として世界遺産に登録されており、宝亀教会をはじめ、この地で信仰を守り抜いた人々の深い歴史が息づいています。

  • 国際貿易港: かつてはポルトガルやオランダの貿易船が出入りした、日本初の本格的な国際貿易港であり、異国情緒あふれる文化が根付いています。

この歴史的な背景を知ることで、朱色の橋の向こうに広がる景色は、一層深みを増します。平戸大橋がなかった時代、平戸口運輸のフェリーにはポルトガル語やオランダ語の名前が付けられていたという逸話も残されており、まさに橋もフェリーも、この地の歴史を継承する存在だったのです。(出典:Google Search, 平戸大橋 フェリー 1977)

【平戸の魅力を深掘りするYouTube動画紹介】

平戸の魅力をより深く知りたい方は、過去の作品でご紹介したYouTube動画もぜひご覧ください。

まとめ:124作目に込めた、歴史と未来への挑戦

今回の水彩画124作目「平戸大橋」は、美しい朱色の再現という技術的な挑戦と、開通前後の歴史的な風景を重ね合わせるという、二重の意味での探求となりました。

橋の完成を祝い、また高額な通行料を払いながらも利用した人々の思い。そして、フェリー時代から、無料化を経て、現代のリゾート地へと進化し続ける平戸の力強さ。このF10作品には、47年の時を超えた平戸の物語が凝縮されています。

124作目の制作で、大きな作品を描く時間の重さを改めて感じました。
次作は 少し時間を置き、よりじっくり描きたい と思っています。

どうか、次回も気長にお付き合いください。

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