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【水彩画121作目】新緑に包まれた清水の舞台|光と木の呼吸を描く京都・懸造りの美

清水寺シリーズ第4章・最終作 日常生活で感じる癒し

【水彩画121作目】京都・清水寺を描く最終章|新緑の中に浮かぶ清水の舞台と光の記憶 (F10)

新緑が包む清水の舞台を描く

雨に濡れた京都の旅も、やがて光を取り戻す。
今回の【水彩画121作目】は、シリーズ全4部作の最終章として、
雨上がりの静けさに包まれた「新緑の清水の舞台」を正面から描きました。

5月下旬、清水寺の参道を抜け、音羽の滝を過ぎたころ。
空に淡い光が差し、濡れた木々がゆっくりと輝きを取り戻していく。
その瞬間、舞台を見上げたときに感じたのは「再生」という言葉でした。

木と光、そして緑がひとつに溶け合うような時間。
静かな空気の中に、雨の名残と初夏の息吹が共存していました。

正面から見た懸造りの迫力

これまでのシリーズでは、阿弥陀堂側・奥の院側・境内全体と、
異なる角度から清水寺を描いてきました。

そして今回、最後に選んだのは真正面から見た清水の舞台。
その理由は、懸造りという建築の力強さを「直視」したかったからです。

清水の舞台は、13メートルの高さを持つ木造構造。
釘を一本も使わず、139本の柱が組み上がることで成立しています。
それを支えるのは「木」と「人の技」、そして「祈り」。

水彩画では、その柱の一本一本に呼吸を感じさせるため、
筆のストロークを呼吸のリズムに合わせて描きました。
乾ききらないうちに次の層を重ね、光を透かすように木肌を塗り重ねていく。
絵具の透明感が、懸造りの立体感を自然に浮かび上がらせてくれました。

清水寺シリーズ第4章・最終作

光と木が奏でる「静かな生命感」

雨上がりの清水の舞台には、独特の空気があります。
湿り気を帯びた木の香り、苔の匂い、光が差すたびに立ち上る蒸気。
そのすべてが生命の気配として感じられるのです。

新緑の葉は、水滴を受けて輝き、
舞台の下に流れる風が、木々の葉をそっと揺らします。

この「静かな生命感」を表すために、
水彩ではグリーンアース、オリーブグリーン、そしてレモンイエローを重ね、
湿度を感じる層を作りました。

ポイントは、緑の中に“光を溜める空間”を残すこと。
塗りすぎず、余白を呼吸させることで、
画面全体に風が通るような透明感が生まれます。

清水の舞台を見上げたとき、
木と光がひとつになって呼吸しているように感じられた——
その瞬間の感覚を、この絵に閉じ込めました。

「祈り」としての建築、「癒し」としての風景

清水寺の舞台には、長い年月の中で無数の人々の祈りが積み重ねられてきました。
誰かの願い、別れ、再会、そして希望。

その祈りが、この建築を支え続けてきたのだと思います。
絵を描くとき、私はこの場所に宿る“人の想い”を感じながら筆を運びました。

木の一本一本が、まるで人の心を支えるように立ち、
その上で光が優しく包み込む。
それは、見る人の心を癒す“形のない建築美”です。

絵の中で描かれる光と木の調和は、
まさに清水寺が長い時を経ても人を惹きつけ続ける理由そのもの。

この最終作は、
「自然と建築、そして人の祈りが一体となる瞬間」へのオマージュです。

清水寺 四部作の完結に寄せて

これまで描いてきた【京都・清水寺シリーズ】は、
2025年春の取材をもとに、4部作として構成しました。

第118作目:阿弥陀堂から奥の院へ向かう途中、雨に霞む舞台を描く

第119作目:京の街並みを望む舞台、雨の中に浮かぶ懸造りの姿

第120作目:三重塔と舞台の全体像、清水寺という存在の全貌を描く

第121作目(本作):正面から描く「新緑に包まれた清水の舞台」

雨の静けさ、霧の透明感、そして光の再生。
この4作品を通して感じたのは、
「自然と人の祈りが交わる場所の癒し」でした。

描き終えた今、私はこの場所を「風景」ではなく「時間」として感じています。
季節を越えても、変わらずそこにある祈りの形。
清水寺は、まさに“永遠の癒し”を象徴する場所でした。

最後に:絵を通して感じた癒しの記憶

この4部作を通して改めて思うのは、
「描く」という行為そのものが癒しであるということです。

筆を走らせ、水を流し、にじみを見守る——
その時間の中で、心は自然と静まり、
見えない疲れや焦りが少しずつ溶けていく。

清水の舞台を描きながら、私は“静けさの力”を学びました。
それは、現代を生きる私たちが忘れかけている「穏やかな時間の価値」。
この絵が、見る方の心に少しでもやさしい風を届けられたら幸いです。

🌿 関連リンク・次回予告

🎨【清水寺シリーズ第二弾・第119作目】雨に煙る「清水の舞台」の側面美|釘不使用の懸造り架構が織りなす構造美を水彩で描く – 松藏七代 癒しの情報

🎨【第118作目】京都・清水寺を描く|雨に濡れる懸造りの美と木の温もりを水彩で表現した旅の記憶 – 松藏七代 癒しの情報

🎨【水彩画120作目】雨の清水寺を望む|三重塔と舞台の全景に描く懸造りの美と静寂 – 松藏七代 癒しの情報

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👉【2025年春最新】京都・清水寺・伏見稲荷・京都御所を巡る雨の旅写真その3/3|写真64枚で巡る感動ルート&交通・御朱印ガイド – 松藏七代 癒しの情報

次回は、福岡 大濠公園景色(仮名)を公開予定です。

 

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