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癒しと躍動のハーモニー:ユタ・ヒップ&ズート・シムズによる珠玉のジャズアルバム『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ+2

ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ+2 趣味を通して感じる癒し

ユタ・ヒップとズート・シムズの極上ジャズ体験!1950年代ジャズの傑作アルバム『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ+2』徹底解説

ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ+2

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

アルバム紹介

1950年代、ニューヨークのジャズシーンは躍動と革新に満ちた時代でした。その中心に位置していたのがBlue Noteレーベルであり、数々の名作を世に送り出しました。

その中でも、ドイツ出身の女性ピアニスト、ユタ・ヒップ(Jutta Hipp)と、アメリカのテナー・サックスの巨匠ズート・シムズ(Zoot Sims)のコラボレーションによるアルバム『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ+2』は、ジャズファンにとって忘れがたい名盤です。

ジャズの時代背景

1950年代は、ビバップから発展したハードバップやクールジャズが台頭していた時代です。アーティストたちは新しいスタイルを模索し、東海岸ではハードバップ、西海岸ではクールジャズが発展していきました。

この時代、ジャズは個性を追求し、異なるスタイルのミュージシャンたちが共演して化学反応を起こすことが少なくありませんでした。

ユタ・ヒップは、この時代にニューヨークで活躍した数少ない女性ピアニストの一人です。彼女は、ドイツから渡米し、アメリカのジャズシーンに新しい風を吹き込みました。

一方、ズート・シムズはウエスト・コーストジャズの代表的存在で、柔らかくリリカルなテナー・サックス奏者として知られていました。1956年、ニュージャージーのスタジオで録音されたこのアルバムは、東海岸と西海岸のスタイルが融合する貴重なセッションです。

アーティスト紹介

ユタ・ヒップは、1925年にドイツで生まれ、戦後のドイツジャズシーンでその名を知られる存在となりました。彼女の独特なリリシズムとモダンな感性は、評論家レナード・フェザーの支援を受け、1955年にアメリカに渡るきっかけを得ます。その後、Blue Noteレーベルと契約し、本作を含む一連のアルバムを録音しました。

一方、ズート・シムズは、クールジャズのパイオニアとして知られ、主にウエスト・コーストで活動しました。彼の演奏スタイルは、滑らかで暖かみのある音色が特徴で、このアルバムでもその魅力が存分に発揮されています。

アルバム内容紹介

本作『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ+2』は、1956年7月28日にニュージャージーで録音されたもので、全8曲が収録されています。そのうち2曲はボーナストラックとして追加されています。

1. ジャスト・ブルース (Just Blues)
オープニングを飾るこの楽曲は、シムズの豊かなテナーサックスが冴えわたるブルースです。曲名通り、シンプルながら深みのあるブルースフィーリングが展開されます。

2. コートにすみれを (Violets for Your Furs)
この曲はアルバムのハイライトとも言えるバラード。ヒップのピアノの繊細なイントロに導かれ、シムズのサックスがリリカルで情緒あふれる旋律を奏でます。ジャズファンにとって、この曲のエモーショナルな表現は必聴です。

3. ダウン・ホーム (Down Home)
ジェリー・ロイドによるオリジナル曲で、グルーヴィーなリズムとリラックスした雰囲気が特徴です。ロイドのトランペットが輝きを放ち、ヒップとシムズとの掛け合いが魅力的な一曲。

4. オールモスト・ライク・ビーイング・イン・ラヴ (Almost Like Being in Love)
アップテンポなスタンダードナンバー。シムズの軽快なサックスとヒップのスイング感が絶妙にマッチしています。

5. ウィー・ドット (Wee Dot)
アーメド・アブダル・マリクのベースとエド・シグペンのドラムがリズムセクションを支え、シムズとロイドが自由にソロを展開するジャム的なセッション。

6. トゥー・クロース・フォー・コンフォート (Too Close for Comfort)
ジャズスタンダードの一つ。ここでもシムズとヒップの息の合ったコンビネーションが楽しめます。

7. ジーズ・フーリッシュ・シングス (These Foolish Things) [ボーナス・トラック]
美しいメロディを持つこの楽曲も、シムズのしっとりとしたサックス演奏が心に残ります。

8. ス・ワンダフル (S’Wonderful) [ボーナス・トラック]
ガーシュウィンの有名なスタンダードで、アルバムの最後を明るく締めくくる軽快なナンバーです。

まとめ

『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ+2』は、1950年代のジャズ黄金期を象徴する作品の一つであり、ユタ・ヒップの繊細でリリカルなピアノと、ズート・シムズの温かく滑らかなサックスが絶妙に調和しています。

ピアノとサックスの対話が生み出す心地よい空間は、聴く者に深い癒しを与えるでしょう。ジャズファンならずとも、一度は耳にしておきたい名盤です。

下記URLはYouTubeにJust Bluesが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=K9ZLdvcK8HY&list=PLm4I8tP6UbWZpBzeO_h3kNPimRyj08eW6

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

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