PR

ジョン・コルトレーン『セッティン・ザ・ペース+1』レビュー|癒しのジャズ名盤を徹底解説【プレスティッジRVGリマスター盤】」

セッティン・ザ・ペース+1 趣味を通して感じる癒し

ジョン・コルトレーン『セッティン・ザ・ペース+1』徹底レビュー:癒しのジャズ名盤、その魅力と背景に迫る

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

【癒しの時間をジャズで彩る】ジョン・コルトレーン『セッティン・ザ・ペース+1』徹底紹介:名盤の魅力と背景に迫る

ジョン・コルトレーン『セッティン・ザ・ペース+1』レビュー:伝説のワンホーンが紡ぐ深遠なサウンド

ジョン・コルトレーンといえば、ジャズ史における革新者としてその名を歴史に刻むサックス奏者。1950年代後半から1960年代にかけて、彼の音楽はジャズの伝統を基盤にしながらも新しい地平を切り開き、世界中のリスナーを魅了しました。そのコルトレーンが1958年に録音したアルバム『セッティン・ザ・ペース+1』は、彼のプレスティッジ・レーベル時代を代表する重要な一枚です。本記事では、アルバムの背景、収録曲、演奏メンバー、そしてアルバムの持つ癒しの魅力について深掘りします。

【アルバム『セッティン・ザ・ペース+1』概要】

『セッティン・ザ・ペース+1』は、1958年3月26日にニュージャージー州ヴァン・ゲルダー・スタジオで録音されました。このセッションは、名盤『ソウルトレーン』が録音されたわずか1ヶ月後に行われたものであり、同じくジョン・コルトレーンを中心に、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラム)という豪華メンバーによるワンホーン作品です。

収録曲リスト

1.アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォー・ミー
2.イフ・ゼア・イズ・サムワン・ラヴリアー・ザン・ユー
3.リトル・メロネー
4.ライズ・アンド・シャイン
5.バイ・ザ・ナンバーズ(ボーナス・トラック)

本作は、スタンダード曲を中心に構成されており、ジョン・コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」と呼ばれる独特な音楽アプローチが随所に感じられます。

【ジャズの黄金期:アルバムが録音された背景】

『セッティン・ザ・ペース+1』が生まれた1958年は、モダンジャズが花開いた黄金期でした。この時代は、ビバップを超えて、ハードバップやクールジャズといった多様なスタイルが台頭していた時期です。

コルトレーン自身もこの頃、マイルス・デイヴィスのバンドで演奏する一方で、プレスティッジ・レーベルに自身の名義作品を数多く録音していました。このアルバムが録音された3月のセッションは、前年から続くプレスティッジとの契約下での仕事の一環でしたが、単なる契約履行以上の高い完成度を誇っています。

本作の録音を手掛けたのは、伝説的なレコーディング・エンジニアであるルディ・ヴァン・ゲルダー。彼の手腕によって、コルトレーンのテナーサックスの温かみと鋭さが見事に捉えられており、音質の高さは現在でも高く評価されています。

【ジョン・コルトレーンと参加ミュージシャン】

ジョン・コルトレーン(テナーサックス)

本作の中心人物であるコルトレーンは、当時すでにマイルス・デイヴィスのバンドで重要な役割を担っていました。彼の演奏スタイルはこの時期、「シーツ・オブ・サウンド」と呼ばれる密度の高いフレージングで注目されており、本作でもその片鱗が感じられます。

レッド・ガーランド(ピアノ)

コルトレーンとともにマイルスのクインテットで活動していたレッド・ガーランドは、リリカルなタッチとブルースフィーリングを得意とするピアニスト。彼の演奏はアルバム全体に温かみを与えています。

ポール・チェンバース(ベース)

ジャズの歴史に名を刻む偉大なベーシスト。スウィング感とテクニックを兼ね備えたチェンバースの演奏は、コルトレーンのフレーズを支える土台となっています。

アート・テイラー(ドラム)

アート・テイラーの軽快かつダイナミックなドラミングが、このセッションの躍動感をさらに高めています。

【アルバム収録曲の詳細レビュー】

1. アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォー・ミー
スタンダード曲の美しさを最大限に引き出した1曲目。コルトレーンのテナーサックスが歌うようにメロディを紡ぎ出します。リスナーを心地よい空間へ誘うこの演奏は、日常の癒しとしても最適です。

2. イフ・ゼア・イズ・サムワン・ラヴリアー・ザン・ユー
穏やかながらも感情豊かな演奏が印象的なトラック。ガーランドの繊細なピアノソロとコルトレーンの情熱的なプレイが見事に融合しています。

3. リトル・メロネー
ベースラインが際立つ、少しブルージーなナンバー。チェンバースの演奏がリスナーの耳を引きつけます。

4. ライズ・アンド・シャイン
テンポの速い曲で、メンバー全員のスリリングな演奏が楽しめます。コルトレーンのアドリブは圧巻の一言。

5. バイ・ザ・ナンバーズ(ボーナス・トラック)
今回のリマスター盤で収録されたボーナストラック。1950年代のモダンジャズの魅力が詰まった珠玉の一曲です。

【アルバムの癒しと魅力】

『セッティン・ザ・ペース+1』は、スタンダード曲を題材に、シンプルながらも深みのあるアプローチが特徴のアルバムです。穏やかな曲調と卓越した演奏によって、聴く者の心を穏やかにし、日常のストレスを解き放つ力を持っています。ジャズ初心者からコルトレーンのファンまで、多くの人に愛される理由がここにあります。

【まとめ】

ジョン・コルトレーン『セッティン・ザ・ペース+1』は、ジャズ黄金期を代表する名盤のひとつであり、癒しの時間を提供してくれるアルバムです。収録曲の一つ一つにこだわりが詰まっており、モダンジャズファンなら必聴の一枚です。このアルバムを通じて、ジャズが持つ奥深い魅力をぜひ感じてみてください。

ジャズ愛好者だけでなく、癒しを求める方々にもおすすめしたいこのアルバムを手に取り、コルトレーンのサウンドに浸る時間をぜひ体験してみてください。

下記URLはYouTubeにLittle Melonae (RVG Remaster)が上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=MqvHcyKETuc

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・