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アニタ・オデイ×オスカー・ピーターソン!名盤『アニタ・シングズ・ザ・モスト』の魅力を徹底解説

アニタ・シングズ・ザ・モスト 趣味を通して感じる癒し

1950年代ジャズの輝き:アニタ・オデイとオスカー・ピーターソンの共演による傑作『アニタ・シングズ・ザ・モスト』を深掘り

アニタ・シングズ・ザ・モスト

最後にYouTubeに上がっていた収録曲を貼らせて頂いています。

 

アルバム紹介

『アニタ・シングズ・ザ・モスト(Anita Sings the Most)』は、ジャズヴォーカルの歴史に輝く名盤の一つで、1957年に録音された作品です。

ジャズヴォーカリストとして高く評価されるアニタ・オデイ(Anita O’Day)が、世界的に著名なピアニスト、オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)率いるカルテットと共に録音したこのアルバムは、アニタの声とピーターソンのピアノが見事に融合し、アップテンポなスキャットからしっとりとしたバラードまで、聴く者を魅了します。

ジャズの時代背景

1950年代は、ジャズヴォーカルが大きく花開いた時代です。ビバップの発展によって即興演奏が主流となり、インストゥルメンタルだけでなく、歌においても高度な即興性が求められるようになりました。

白人女性ヴォーカリストの中でも、アニタ・オデイはビバップスタイルを取り入れ、スキャットシンギングを自在に操る唯一無二の存在として注目を集めました。

この時期、ジャズヴォーカルは多様な表現を求められるようになり、ただ歌うだけではなく、インストゥルメントのように即興演奏と掛け合いを行うことが重要視されました。

アニタ・オデイはその中でも特に個性的で革新的なアプローチを取り、彼女の作品は今でも多くのジャズファンに愛されています。

アーティスト紹介

アニタ・オデイは、1920年シカゴ生まれのジャズシンガーで、彼女のハスキーボイスと独特のリズム感は、他のヴォーカリストとは一線を画す存在です。

オデイは、伝統的なジャズシンガーという枠を超え、インストゥルメンタルのように曲にアプローチすることから「楽器の一部」としても評価されています。

彼女がキャリアの頂点に立ったのが1950年代で、特にビバップとスキャットシンギングの分野でその才能を発揮しました。

アニタ・オデイは、エラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンと並んでジャズヴォーカルの女王として称される存在ですが、その大胆なアプローチと奔放なライフスタイルでも注目されました。

本作でバックを務めるのは、ジャズ界を代表するオスカー・ピーターソン・カルテットです。
ピーターソンは、卓越したテクニックと美しいハーモニーを生み出すピアニストとして知られ、そのカルテットには、ギタリストのハーブ・エリス(Herb Ellis)、ベーシストのレイ・ブラウン(Ray Brown)、ドラマーのミルト・ホランド(Milt Holland)またはジョン・プール(John Poole)が名を連ねています。
彼らの卓越した演奏が、アニタ・オデイの歌声を完璧に引き立てています。

アルバム内容紹介

『アニタ・シングズ・ザ・モスト』には、アニタ・オデイのスキャットと表現力豊かなヴォーカルが際立つ全11曲が収録されています。オスカー・ピーターソン・カルテットの見事な演奏がアニタを支え、軽やかさと深い感情が共存する、まさにジャズヴォーカルの醍醐味を味わえる作品です。

1. 誰も奪えぬこの思い(’S Wonderful)
ガーシュウィンのスタンダードナンバーで、アニタの軽快なスキャットが楽しめるオープニングトラックです。ピーターソンのピアノソロも素晴らしく、スウィング感あふれる一曲です。

2. テンダリー(Tenderly)
アニタの柔らかくリリカルな表現が際立つバラード。しっとりとした雰囲気が漂い、ピーターソンのピアノの美しい伴奏がアニタの声を優しく包み込みます。

3. オールド・デヴィル・ムーン(Old Devil Moon)
この曲では、アニタの声のダイナミズムとリズム感が光ります。ピーターソン・カルテットとの掛け合いが見事で、ジャズヴォーカルの醍醐味を存分に味わえる一曲です。

4. ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー(Love Me or Leave Me)
アップテンポで、アニタの自由なスキャットとカルテットの高度なインタープレイが楽しめるナンバーです。ハーブ・エリスのギターソロも見逃せません。

5. また会う日まで(We’ll Be Together Again)
このバラードでは、アニタの繊細な感情表現が際立ちます。しっとりとしたメロディラインとレイ・ブラウンのベースが心地よく絡み合い、深い余韻を残します。

6. 星影のステラ(Stella by Starlight)
ジャズの名曲中の名曲。アニタのスムーズなヴォーカルラインとピーターソンの流麗なピアノが美しいハーモニーを奏でます。

7. 恋のチャンス(Them There Eyes)
元気いっぱいのアニタのスキャットが炸裂するアップテンポのナンバー。ピーターソン・カルテットのアンサンブルも見事です。

8. ゼム・ゼア・アイズ(I’m Beginning to See the Light)
軽やかなテンポで進行するこの曲は、アニタのエネルギッシュな歌声が印象的。ピーターソン・カルテットとの息の合った演奏が光ります。

9. 思いのまま(I Get a Kick Out of You)
コール・ポーターのスタンダード曲で、アニタのユーモラスな表現が際立ちます。彼女の軽やかなヴォーカルとピーターソンの洗練されたピアノが絶妙にマッチしています。

10. 私に頼むわ(I’m Glad There Is You)
優雅なバラードで、アニタの感情豊かなヴォーカルが聴きどころ。アンサンブルの美しさもこの曲の魅力です。

11. 魅惑されて(Bewitched, Bothered and Bewildered)
アルバムの締めくくりにふさわしい、ロマンティックでしっとりとしたバラード。アニタの声が深い情感を持って響き渡ります。

まとめ

『アニタ・シングズ・ザ・モスト』は、アニタ・オデイのヴォーカル技術と、オスカー・ピーターソン・カルテットの完璧なサポートによる珠玉の作品です。1950年代のジャズシーンを象徴するこのアルバムは、アニタのスキャットやバラードでの表現力を堪能できる一枚であり、ジャズヴォーカルファン必聴の作品と言えます。

特に、オスカー・ピーターソンのピアノとアニタのヴォーカルの掛け合いは、ジャズの即興性と表現力の真髄を体現しており、その音楽的深みは時代を超えて多くのリスナーに感動を与え続けています。

下記URLはYouTubeに’S Wonderful / They Can’t Take That Away From Meが上がっていましたので貼らせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=N8CBGqiNPDA&list=PLBJenJIJrq0zsWn2BxR-W8v2Fa9DVbE7W

これから、徐々にステレオ録音(1958年前後~)、ハードバップ時代のアルバムのご紹介になってきますのでお楽しみに・・・

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